東京五輪のエースは上田綺世か小川航基か…熾烈な1トップの争いの行方は?

2019年12月13日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

上田との小川の差はわずか

上田と小川は熾烈な争いを続ける。E-1選手権は序列を決めるターニングポイントになるかもしれない。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 韓国で行なわれているE-1選手権の注目ポイントのひとつが、1トップの熾烈なポジション争いだろう。

 有力な候補者は上田綺世と小川航基。いずれも東京五輪に向けて活動するU-22代表の主力メンバーだ。高速ドリブラーの田川亨介、快足と嗅覚が自慢の鈴木武蔵も担えるが、ふたりは今大会シャドーを主戦場としている。

 現状では、上田が一歩リードと言ったところか。森保一監督がこの世代を初めて指揮した17年12月当初からメンバー入りすると、初めは主に途中出場で短いプレー時間の中、ピッチに立てば結果を残してきた。抜群の決定力を武器に、これまでU-22代表で積み上げてきたゴール数はチームトップの12にのぼる。

 E-1選手権の初戦・中国戦で先発したのも上田だった。シャドーの森島司、ウイングバックの遠藤渓太と好連係を築き、先制点奪取に貢献。本来は鋭い飛び出しが身上ながら、巧みなポストワークで攻撃を牽引し、プレースタイルの広がりを披露した。

 しかし、そんな上田も昨年3月のU-23アジア選手権予選以来、ゴールから遠ざかっている。所属の鹿島でも秋口までは4得点と好調だったものの、徐々にトーンダウンし、最終的にはベンチを温める機会が増えた。
 
 対して、上り調子なのが小川。U-18代表の頃からその万能性を示して世代ナンバーワンと謳われながら、17年のU-20ワールドカップで左膝の前十字靭帯と半月板を痛めて以降苦しい時期を過ごしたが、ここにきて復調してきた。

 U-22代表での直近のゴールこそ今年6月のトゥーロン国際大会までさかのぼるものの、今夏にレンタル移籍した水戸ではJ2で17試合・7得点をマークし、11月のU-22コロンビア戦ではポスト直撃のシュートを放つなど、復活の気配を漂わせている。

 つまり1番手の上田と2番手の小川の差はわずかだということだ。そんな現状なだけに、このE-1選手権での結果は重要になるはずだ。上田が地位を固めるのか、小川が序列を覆すのか。序列が決まるうえで、ひとつのターニングポイントになる可能性がある。

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