ラモス日本、W杯準決勝でポルトガルにPK戦の末に惜敗。「勝って胸を張って日本に帰りたい」と選手も3位決定戦に意欲【ビーチW杯】

2019年12月01日 サッカーダイジェストWeb編集部

バケツをひっくり返したような豪雨の中での試合となった

準決勝は暴風雨で視界不良の状況下での試合となった日本代表。3-3で突入したPK戦は、1-2で敗戦となった。

 ラモス瑠偉監督率いるビーチサッカー日本代表が、熱望していたワールドカップの決勝進出にあと一歩、及ばなかった理由は何だろうか?

 現地11月21日にパラグアイの首都アスンシオンで開幕したビーチサッカーワールドカップ。日本代表はグループA組を3戦全勝で通過し、28日に準々決勝で古豪ウルグアイと、そして30日の準決勝で強豪ポルトガルと対戦した。

 グループステージの最中、ラモス監督は決勝トーナメント以降の天候をしきりに気にしながら、こう話してくれた。

「雨が降るとフィジカルに勝る選手のいる国が有利になる。日本の選手たちには、晴天のコンディションでプレーさせてやりたい。準々決勝に勝てば、その良い流れを持ってして決勝まで進める。決勝で王者ブラジルと戦って優勝したい」

 現地30日の午後6時にキックオフされた日本対ポルトガル戦に先立ち、イタリア対ロシア戦が午後4時15分にキックオフされた。その1時間前から雨がポツリ、ポツリと落ちてきた。キックオフ前になるとバケツをひっくり返したような豪雨となり、雷鳴まで轟くようになった。大粒の雨に打たれながら髪を振り乱し、砂まみれになった両国の選手たちは延長戦までハードに戦い、軍配はイタリアに上がった。

 日本対ポルトガル戦のキックオフ前に雨は上がったが、苦手とする"重馬場"であることには違いない。ハンデは他にもあった。ラモス監督が絶大なる信頼を寄せているFP大場崇晃が、累積警告でポルトガル戦は出場停止だったのである。

 さらに懸念材料はあった。「なかなかパフォーマンスが上がらず、プレーの質など改善しなければいけない選手がいる」と具体的な名前は控えつつ、そう話していたラモス監督。

 たとえばFP山内悠誠、松田康佑、飯野智之の3人は登録FPメンバー10人中、ポルトガル戦までの4試合で得点ゼロの選手だった。

 決勝トーナメントに入れば、グループステージ以上に"総力戦"が求められる。疲労の蓄積で運動量が落ちた選手もいれば、この日のポルトガル戦の大場のように累積警告で出場停止の選手も出てくる。走るだけでも難儀な砂の上を4人のFPが目まぐるしく交代を繰り返し、激しく戦うビーチサッカーではブレーキとなる選手が、一人でも少ないほうが有利なのは言うまでもない。

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