【高校選手権/注目アタッカー対談】東福岡 中島賢星×増山朝陽「夏冬連覇への決意」(後編)

2014年12月26日 安藤隆人

「流経大柏の対戦相手が空いていてドキドキしていた」(増山)

“赤い彗星”の異名をとる東福岡。その攻撃を牽引するのが中島と増山のふたりだ。(C) SOCCER DIGEST

――中島選手は組み合わせ抽選会で開幕戦を引き当てました。
 
中島:引き当てましたね(笑)。
 
増山:めっちゃ嬉しかったですね。(中島)賢星も抽選会に行く前に、「開幕戦を引き当てたい」と言って、東京に行ったので、本当に引いたのには驚きました。みんな、「賢星、ナイス!!」と言いました。
 
――狙っていたんですね(笑)。
 
中島:狙ったと言うより、開幕戦だったらいいなという気持ちで引きました(笑)。
 
増山:ずっと開幕戦のところが空いていたんだよね。
 
中島:そうそう、でも結構エグいところ(対戦相手が強豪校の場所)が空いていたので、正直焦りました。
 
増山:流経大柏のところが空いていたので、すごくドキドキしていました(笑)。
 
中島:それは僕もドキドキでしたけど、まあ流経大柏のところに入ったら、もう仕方ないなと思っていました。
 
――インターハイチャンピオンで、Jリーグ内定の選手が2人。さらに開幕戦に出るとなれば、世間の注目はすごいはずです。
 
増山:注目されて嬉しいのと、プレッシャーなのが半分半分ですね。
 
中島:ハーフ&ハーフだね(笑)。
 
――全国の強豪校に取材に行きますが、どのチームの選手や監督も「東福岡を倒したい」と口にしています。それだけ周囲からも注目される存在になっています。
 
増山:インターハイで優勝したことで、どのチームも『ヒガシを倒す』という気持ちになるじゃないですか。それはひしひしと感じるし、全国の相手は死に物狂いで来ると思うので、気持ちで負けないようにしたいですね。
 
中島:周りがそう思ってくれるだけで嬉しいし、そういう気持ちのチームがぶつかってきた時こそ、自分や朝陽がしっかりとプレーしなければいけない。プロに行くのに、そういう意気込みのチームとやって自分の力を出せなかったら、「こんなんでプロに行くの?」と言われますから。ただ、簡単ではないのも分かっているので、ワクワクもしますけど、きっと怖い気持ちもどこかにあると思います。
 
増山:でも、結構逆ゾーンに強豪が集まりましたよね? そこで激しくぶつかり合うんですよね(※流経大柏、前橋育英、立正大淞南などとは決勝まで、青森山田や星稜なども準決勝まで当たらない組み合わせ)。
 
中島:でも、前回は3回戦で日章学園にやられているので……。
 
増山:選手権なので、何が起こるか分からない。
 
――2人は『プロに行く選手』という目で見られますからね。
 
増山:そうですよね、全国放送されて、会場の人たちだけでなく、テレビでも多くの人が観るので、そこで「所詮、そんなもんか」と思われるのではなくて、「これだけすればプロになれるんだ」と思ってもらえるようにしたいと思います。
 
中島:みっともない姿だけは見せないようにします。
 
――2人にとって、選手権という舞台は、やはり憧れでしたか?
 
中島:やっぱり高校サッカーと言ったら選手権。インターハイで優勝したけど、あまり地元では盛り上がっていなかった。テレビ中継とかもなかったですし、やっぱり熱が選手権とは違います。僕も小さい頃に、平山相太(現FC東京)選手などがいた国見と、カレン・ロバート(現スパンブリーFC)選手などがいた市立船橋との選手権の決勝戦を、実際に国立競技場まで観に行ったんです。そこから選手権に強い憧れを抱くようになりました。その試合は観客が多くて、僕は立ち見で観たんです。あの尋常じゃない盛り上がりとか、会場の雰囲気に鳥肌が立ったことを今でもはっきりと覚えています。そういうのも高校サッカーを選んだ理由ですね。
 
増山:選手権は普通にテレビで観られるし、高校生だからこそのプロとは違う感動があったり、仲間と一生懸命に戦う姿を見て、いいなと思ったんです。なので、ずっと選手権を目指してきましたし、僕がテレビで観ていた頃のように、観ている人たちに感動を与えられるような試合がしたいです。
 

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