【岡山】元同僚、同じ左利きだからこそ知る稀代のレフティの凄さ。上田康太は大一番で“シュンさん”を抑え込めるか?

2019年11月14日 寺田弘幸

J1参入プレーオフ圏内との勝点差2で、今節横浜FCと激突

41節の岡山対横浜FC戦では、両レフティの出来が見どころに。上田は岡山をプレーオフ圏に押し上げられるか。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 J2リーグ40節の金沢戦に引き分け、同39節の鹿児島戦に続き勝点3を獲得できなかった岡山は、順位を9位に下げてJ1参入プレーオフ圏内との勝点差が『2』に開くこととなった。厳しい状況に立たされた金沢戦後、上田康太は「勝点3を持って帰らないといけなかったので悔しいけど、まだまだ僕らにはチャンスがあると思うし、チャンスがある限り上を目指してきたい」と前を向いていた。


 そして、41節の横浜FC戦(16日)に向けた準備が始まった12日になると、自分たちの可能性を信じて勝つことだけを考えていた。

「今節はホームでやれる。お客さんもたくさん入ってくれると思うので、そのパワーももらってなんとか勝ちに持っていきたい。そうすれば自信になるし、他のチームの状況とかもあるけど、最後にもう1試合勝てばっていう状況になると思う。そうなると信じて、なんとか横浜FCに勝ちたい」

 むろん、徳島との上位対決を制して自動昇格圏の2位に浮上した横浜FCが、そう簡単に勝てる相手ではないことは分かっている。

「チーム全体に能力の高い選手がいて、少し前は外国人選手が活躍していたけど今は誰が出てもいいチーム状態になっている。個々の戦いがベースになることはもちろんだけど、僕らは試合を通して数的優位を作るようにしていかないと。考えて走ることが大事になる」と睨む上田は、同じレフティのプレーメーカーへの警戒も口にした。

「シュンさん(中村俊輔)からいいボールが出てくることは分かっていることなので、そこをチーム全体で抑えていかないと。フリーで前を向かせてしまうと、どこにでもタイミングよく精度の高いパスが出てくる」

 1シーズンだったが、磐田でチームメイトとして過ごす時間に恵まれたからこそ、上田は中村の脅威を肌で知っている。上田は過度に意識せず「僕は思い切って自分のプレーをするだけです」と自身のことに集中していたが、この大一番で稀代のレフティとピッチ中央でぶつかり合うことになったのは何かの縁に違いなく、上田の力が試される試合となることも間違いないだろう。
 

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