インテル戦力外の「お騒がせ男」が中心! カリアリが驚きの大躍進中だ!

2019年11月11日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

コンテは自由すぎる性格を嫌って…。

今夏に復帰したカリアリで躍動するナインゴラン。(C)Getty Images

 今シーズンのセリエAで最大のグッドサプライズとなっているのが、カリアリだ。

 過去3シーズンは11位、16位、15位と二桁順位に止まった典型的なプロビンチャ(地方の小クラブ)だが、今シーズンは12節までにラツィオと並ぶ勝点24を稼いで望外の3位。アタランタ、ローマ、ナポリ、そして大不振ミランなどを抑えてチャンピオンズ・リーグ出場権圏内に付けているのだ。

 今夏は生え抜きのニコロ・バレッラがインテルに去り、守護神のアレッシオ・クラーニョと得点源のレオナルド・パボレッティが故障で長期離脱。苦戦が予想されていた。

 しかし、GKのロビン・オルセン、MFのラジャ・ナインゴラン、マルコ・ログ、ナイタン・ナンデス、FWのジョバンニ・シメオネなど今夏に獲得した新戦力が軒並みハイパフォーマンスを披露。彼らを中心に3節以降は無敗(7勝3分け)の快進撃を見せている。

 中でもここにきて際立っているのが、ナインゴランだ。ローマで一躍名を揚げた元ベルギー代表MFだが、昨シーズンは新天地のインテルで怪我も重なり満足なプレーが見せられなかった。復活を期した今シーズンも、ジュゼッペ・マロッタCEOとアントニオ・コンテ新監督にその自由すぎる性格がチームの輪を乱すと判断されて戦力外に……。今夏は10~14年まで所属したカリアリに約5年半ぶりに復帰していた。
 マロッタとコンテが嫌った通り、遅刻の常習犯なうえ、ストレートすぎて物議を醸す発言が多く、誰に咎められても喫煙を止めず、ベルギー代表でも指揮官と揉めた末に引退宣言するなど、サッカー界屈指の「お騒がせ男」であるナインゴランだが、しかしその実力は一級品だった。

 4-3-1-2システムの中で開幕2試合はアンカーを務めていたが、怪我から復帰した6節以降はトップ下にポジションを移し、守備ではハードなプレス、攻撃では大胆かつ繊細な仕掛けで貢献。11月10日の12節フィオレンティーナ戦では、54分までに何と3アシストを記録すると、65分にはまるでミサイルのような豪快なミドルシュートを突き刺す。5-2大勝の立役者となったのだ。

 カリアリ加入時に「俺を放出したインテルを見返したい」と語っていた本人にとっては会心の活躍だったはずで、ロランド・マラン監督も「ナインゴランはウチの真珠(特別なものの比喩)さ。チームメイトを導くことができる」と称賛を惜しまない。

 はたして、ナインゴランに率いられたカリアリの躍進はどこまで続くのか。要注目だ。

構成●ワールドサッカーダイジェスト編集部

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