【川崎】“紙一重の勝負”でなぜ勝ち切れるのか――示唆に富む谷口彰悟の見解

2019年11月10日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「本当に紙一重の差だと思います」

8日間で3試合をこなすタイトな日程だったが、広島、浦和、鹿島を相手に3連勝を達成。逆転優勝に望みをつないだ。写真:徳原隆元

[J1リーグ第31節]鹿島0-2川崎/11月9日/カシマ

 いったい、どちらが"鹿島"なのか、分からなくなるようなゲームだった。

 劣勢の時間を耐えて、ワンチャンスをモノにする。そんな試合巧者ぶりは断トツの20冠を誇る鹿島の特権でもあったが、常勝軍団のお家芸をやってみせたのは、カシマサッカースタジアムに乗り込んだ川崎のほうだった。

 鹿島の決定力不足に助けられた部分はあったが、それでも川崎は相手にペースを握られる展開でも、しぶとく守り、ゴールに鍵をかける。51分にはセルジーニョに決定的なシュートを浴びたが、間一髪で車屋紳太郎がブロック。鹿島の選手たちも思わず天を仰ぐ。

「後半の立ち上がりも、鹿島がかなりギアを上げてきているなって、圧力を感じていました。うまく反撃できればよかったですけど、我慢するところは我慢して、人数をかけてでも我慢しなければいけない、と。押し込まれてはいましたが、冷静に、周りを見ながらやれていたと思います」(谷口彰悟)
 
 我慢に我慢を重ねる割り切った戦いが報われたのが62分。家長昭博のFKに山村和也がヘッドで合わせてゴールネットを揺らし、あっさりと先制に成功。さらに71分にはカウンターから途中出場の長谷川竜也が加点。2-0の完勝を収めた。

 目下リーグ連覇中で、今季は悲願のルヴァンカップ制覇を達成。同大会の準決勝で退けた鹿島には、リーグ戦では1-1で引き分けた16年4月のゲーム以降、8戦負けなし(5勝3分)だ。ある意味、今の川崎には"常勝軍団"の風格が漂い始めている。

 クラブとして上昇カーブを描く川崎と、やや停滞感が否めない鹿島。現時点で両者を隔てるものはなにか。「そこまで大きな差はないと思います。本当に紙一重」と話す谷口は、さらにこう続ける。

「こっちはセットプレーのワンチャンスで点を取って、流れを変えた。逆に鹿島にもチャンスはありましたけど、ゴールラインぎりぎりで防いだシーンもありました。そういうチャンスをモノにしたか、していないか。本当に紙一重の差だと思います」

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