「ラ・リーガ会長が最後まで不満を露わに…」前代未聞!クラシコ延期の舞台裏【現地発】

2019年10月20日 エル・パイス紙

ベルナベウ開催は両クラブが反対

世界中が注目する一戦は異例の事態に……。(C)Getty Images

 10月26日(土)に行なわれる予定だったラ・リーガ第10節、バルセロナ対レアル・マドリーの「エル・クラシコ」は延期が決定した。

 直接の引き金となったのが、今月14日、カタルーニャ州の独立を問う国民投票を強行実施したとして、独立派指導者9人に対し長期の禁固刑を言い渡したスペイン最高裁の判決だ。これにより、カタルーニャ州では独立支持派の市民による大規模なデモが頻発。多くの負傷者も出ている。

 このような状況では安全性の確保が難しいと判断したラ・リーガのハビエル・テバス会長は、開催地を入れ替えるアイデアをスペイン・サッカー連盟(RFEF)に提案した。今回はバルサの本拠地カンプ・ノウ、後半戦のクラシコは3月1日(日)にマドリーの本拠地サンティアゴ・ベルナベウで行なわれることになっているが、その順番を逆にしようというのだ。

 しかしこのプランは、両クラブ、RFEFいずれの支持を得ることもなく、同連盟の競技委員会が、ルールに明文化されていないという理由で却下。同時に示されたのが日程を延期して開催する案だった。
 
 ここでもイニシアチブを握ろうとしたテバス会長は12月7日(土)の開催を提議。その週末にはラ・リーガ第16節のバルセロナ対マジョルカとマドリー対エスパニョール戦が予定されているが、就任以来、テレビ放映権料の拡大を目指して積極的な海外マーケティング戦略を推し進めている会長は、その目玉商品であるクラシコの週末開催に強硬に主張した。

 しかしこのアイデアも第三者のクラブにまで影響を及ぼす点が問題視され、即座にマドリーが異論を唱えた。

 しかもそのミッドウィークにチャンピオンズ・リーグ(CL)のグループステージ最終節がプログラムされている。3日後の10日(火)にバルサがアウェーのインテル戦、4日後の11日(水)にマドリーがアウェーのクラブ・ブルージュ戦を戦う。とりわけ強い抵抗を示したのが、現在グループAで最下位に低迷し、決勝トーナメント進出に向けて予断を許さない状況を強いられているマドリーだった。

 そんななか、平日開催が現実味を帯び始め、カレンダーの空きがあった12月4日と18日の2つの日程が浮上した。4日はその3日前の1日(日)に敵地でのアトレティコ・マドリー戦(ラ・リーガ第15節)を戦うバルサが難色を示す一方で、日程的に支障のないマドリーは両案を受諾。テバス会長の反発もむなしく、12月18日に開催される見通しとなった

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