ブラジル相手にもゴリゴリ仕掛けて打ちまくる!U-22日本代表で台頭する食野亮太郎の飛躍のワケは?

2019年10月18日 飯尾篤史

「失うものは何もない。ブラジルのやつらを蹴散らしていきたいと思っています」

ブラジル遠征では、U-20サンパウロ戦で1ゴール。U-22ブラジル戦でも存在感を示した。(C) Getty Images

 ランニングをしても、ストレッチをしても、ゲーム形式をしても、その銀色の頭髪がとにかく目立つ。U-22日本代表に初めて選出された食野亮太郎のことだ。

 だが、目立つのは、頭髪だけではない。そのアグレッシブなプレーは、ピッチの中でも確かな存在感を放っていた。


 10日に行なわれたU-20サンパウロFCとの練習試合では、常に相手DFの背後に飛び出し、DFを外して右足でゴールゲット。14日のU-22ブラジル戦ではシャドーの一角として先発し、ゴリゴリ仕掛けて、シュートを何本も放った。

「ディフェンスラインと駆け引きして背後をどんどん取ったり、狭いスペースでボールを受けて、シュートを狙っていく。これが自分のプレースタイルなんで」

 これまで多くの選手をアンダー世代の代表に送り込んだガンバ大阪ユースの出だが、食野が日の丸を背負うのは、このブラジル遠征が初めてのことだ。プロ3年目の今季、G大阪でJ3では8試合・8得点、J1では12試合・3得点と結果を残し、夏に移籍したスコットランドのハーツでは出場2試合目にしてゴールをマーク。こうしてU-22日本代表に選出された。

「世間は、やっと(選ばれた)か、っていう感じだったみたいですけど、僕自身はそうは思ってなくて。今までと同じようにサッカーに取り組んできて、最近たまたま良いプレーができていたから呼んでもらえたのかなって」

 だが、こうした謙虚な姿勢とは裏腹に、ハンパないハングリー精神も併せ持つ。U-22ブラジル代表戦の前日には、堂々とこんなふうに宣言していた。
「常に下から成り上がってここまで来ているし、初招集なので、失うものは何もない。ブラジルのやつらを蹴散らしていきたいと思っています」

 本人は「最近たまたま良いプレーができていたから」と謙遜するが、実際、決定力が今年に入ってから飛躍的に高まったのは間違いない。その要因はなんだったのか――。

 食野はG大阪U-23の指揮官の名前を口にした。
「プレースタイルは変わってないんですけど、(森下)仁志さんに出会ってメンタルがすごく成長したというか。それまでは人のせいにしてばかりいたんですけど、仁志さんに謙虚でいることの大切さを教わった。それで、自分に矢印を向けられるようになった。これまでもシュートまでは持っていけていたけど、スコアにはならなかった。でも、心を整えられるようになってから、シュートを枠に飛ばせるようになったんです」
 

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