【連載・東京2020】大迫敬介/後編「不思議とメンタルがブレない秘策…そして今後のテーマは?」

2019年10月28日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

「水本さんにはいつも良くしてもらっていた」

20歳ながらメンタルはタフ。トップチームでも怖気づかずに堂々と振る舞っている。写真:秋田耕二(スタジオサンエス)

 2020年に開催される東京五輪。本連載では、本大会での活躍が期待される注目株の生い立ちや夢舞台への想いに迫る。

 7回目は、抜群の反射神経を活かしたセービングが持ち味で、今季上位争いをするサンフレッチェ広島の堅守を支えている大迫敬介が登場。

 中学時代まで鹿児島で過ごした大迫は、プロを夢見て広島ユースへと入団。18年に晴れてトップ昇格を果たすと、今年は広島の正守護神の座を射止め、さらに今年5月のキリンチャレンジカップでは当時19歳にしてA代表に初選出と、飛躍のシーズンを送っている。まさに破竹の勢いでステップアップする守護神は、いかに育ってきたのか。

 後編では、年上にも怖気づかずメンタルを保つための秘策、コパ・アメリカで感じた南米の本気、そして東京五輪への想いをお届けする。

前編はこちら
【連載・東京2020】大迫敬介/前編「広島ユースは理想郷だった。高校サッカーの選択肢もあったけど…」

中編はこちら
【連載・東京2020】大迫敬介/後編「不思議とメンタルがブレない秘策…そして今後のテーマは?」

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――GKは味方に声を掛けなければいけないポジションです。トップチームではみんなが年上で、テレビで観ていたような人がたくさんいるものです。そのなかに入って気後れすることはなかった?
「トップに上がったばかりの頃くらいですね。初めはどうしても気を遣ってしまうところはありましたし、試合に出られていない時期は、そういう精神的な余裕がなかったのもあったかもしれません。でも徐々に遠慮とかはしなくなりました」

――なぜ遠慮がなくなっていったのでしょうか。
「フィールドの先輩選手が『年齢関係なく声を出していいぞ』と言ってくれたのは大きかったです」

――声をかけてくれたのは誰ですか?
「水本(裕貴/現・松本)さんとかですね」

――水本選手には入りたての頃に助けられたんですね。
「入りたての頃だけじゃなくていつも良くしてもらいました。本当にすごく感謝しています」

――今年A代表に入った時はどうでした? 結構緊張したのでは?
「意外と大丈夫でした。元々代表ではユースの時から上の年代で呼んでもらっていたので、そこの慣れはあったのかなと」
 

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