【日本代表】南野拓実と伊東純也を“覚醒”させたチャンピオンズ・リーグの「魔力」

2019年10月13日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

欧州王者を相手に1G1Aと躍動

CL2試合を経験して代表に合流した伊東(左)と南野(右)。モンゴル戦の先制点はこのコンビから生まれた。(C)SOCCER DIGEST

 たった2試合で、これほど変貌するものか。そう思わせる圧巻のパフォーマンスだった。

 10月10日に埼玉スタジム2002で行なわれたカタール・ワールドカップ・アジア2次予選で、日本はモンゴルに6-0の大勝を収めた。

 圧倒的な実力差がある格下にゴールラッシュを決め込んだ森保ジャパンのなかで、とりわけ際立った活躍を見せたのが、セカンドトップに入った南野拓実(レッドブル・ザルツブルク)と、右サイドアタッカーで先発に抜擢された伊東純也(ヘンク)だ。

 前者は、22分にヘディングで先制点を挙げると、33分には伊東とのワンツーで長友佑都のゴールを演出。キレのある動きでチームの牽引車となった。

 後者は、正確なクロスでその南野と長友のゴールをお膳立てすると、40分にも永井の頭にピタリと合わせて3アシストをマーク。自慢のスピードを活かした突破も光り、モンゴルのミヒャエル・ワイス監督も、「イトウはスーパーだった。日本の右サイドを食い止められなかった」と脱帽した様子だった。
 
 これまで森保ジャパンの攻撃の中心を担ってきたのは、左サイドの中島翔哉だった。だが、この試合に限っては、明らかに南野と伊東の出来のほうが上回っていた。

 9月シリーズにも招集され、二次予選の初戦となったミャンマー戦でもピッチに立ったふたりは、この1か月間に代え難い経験をしている。チャンピオンズ・リーグ(CL)に出場したのだ。

 奇しくも、両者のCLデビュー戦は同じ試合だった。9月17日に行なわれたグループEの第1節で対戦し、6-2でザルツブルクが大勝。個人のパフォーマンスでも、前半のみでベンチに下げられた伊東に対し、2アシストの南野に軍配が上がった。

 オーストリア王者の攻撃の要は、さらに第2節のリバプール戦で特大のインパクトを残す。2点をリードされて迎えた56分、見事なボレー弾を決めるのだ。その4分後には、右サイドからの正確なクロスで3点目をアシスト。結果的に3-4で敗れたとはいえ、前回王者を相手に敵地で1ゴール・1アシストをマークした南野は、2節のベスト11に選出され、ヨーロッパでの評価も一気に上昇した。

 モンゴルとの一戦を前に、南野はこのリバプール戦をこう振り返っている。
 

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