【横浜】不変と進化の25歳――キャプテン喜田拓也が重視する“チームを勝たせること”

2019年10月17日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

2種登録の18歳は本気で悔しがっていた

トリコロール一筋のボランチは「キーボー」の愛称で親しまれ、周囲からの信頼も厚い。今季はリンクマンとして著しい成長を見せている。写真:滝川敏之

 太陽が強く照り付ける8月某日。午前練習を終えた喜田拓也がグラウンドを後にしようとする。ロッカールームまでは、少し距離がある。歩きながら話を聞こうと思い、声をかける。しばらくすると、グラウンド脇で喜田はピタリと立ち止まった。

――どうしたの? 歩きながら話でも。
「いや、そうなると(記者が)こっちまで戻るのが遠くなっちゃうじゃないですか」

 トレーニングで疲れているはずなのに、こちらを気遣い、炎天下でも構わず取材に応じようとする。思いやりのある男である。

 そんな喜田を初めて取材したのは、7年前の2012年秋のこと。すでにトップ昇格が決まっているユース所属の18歳。同シーズンは2種登録されていて、ナビスコカップ(現ルヴァンカップ)の清水エスパルス戦でトップデビューを果たしており、注目の有望株としてサッカーダイジェスト本誌で取り上げた。

 当時の記事を読み返してみる。――相当な負けず嫌い? という質問に対して、喜田は次のように答えている。

「負けず嫌いというか、勝ちたいんです。負けるのが嫌いということは、言ってしまえば、負けなければいいってことですよね? そうではなくて、勝ちたいんです。ポジション争いでも、1対1の競り合いでも、相手に勝ちたい」
 
 先述のトップデビューを飾った清水戦は、0-1の敗戦。背番号40を背負う喜田は、2種登録の選手とは思えないほど大人びたコメントで、無念さを滲ませていた。

「チームが勝てない時期に出させてもらったので、自分が勝たせるぐらいの気持ちで臨みました。だから、勝てなかったのは本当に悔しかった。なにか変化を与えられる選手でなければ、監督も使う気にならないと思うんです」

 勝つことに貪欲で、チームの勝利に責任を負う。こうした心構えは昔からだったんだな、と改めて思う。今季の開幕直後のインタビューでも、話す内容にブレがない。

「サッカー人生のほぼすべてを、F・マリノスで過ごしていると言っても過言ではない。当然、クラブに対する愛着も特別な感情もある。ただ、ひとつ言えるのは、居心地がいいからとか、好きだからっていうだけで、ここにいるわけではない。チームを勝たせるためにやっているし、F・マリノスに必要な選手、勝つために必要な選手だと思ってもらえるように、一生懸命にやっているので」

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