【選手権】群雄割拠の埼玉予選を直前展望! 夏に続いて西武台か、昌平、武南、正智深谷ら強豪が巻き返すか

2019年10月13日 河野 正

県最高位S1の5校が潰し合う激戦ブロックが

インターハイ予選決勝で激突した西武台(中央)と聖望学園。52校の頂点に立つのははたして……。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 第98回全国高校サッカー選手権埼玉大会は10月14日に、インターハイ(全国高校総体)予選のベスト8をはじめ、県リーグ加盟の17校と夏の1次予選を勝ち抜いた計52校が参加する決勝トーナメントが開幕する。今年は強豪校が集中するブロックが形成されたことで、予断を許さない優勝争いが展開されそうだ。
 
 その激戦区のブロックでは、県リーグの中でも最高位のS1に所属する昌平、武南、正智深谷、浦和南、浦和学院の5校が潰し合う組み合わせとなっており、ベスト4に勝ち上がるのは容易ではない。
 
 S1リーグ4連覇を果たしている昌平は今シーズン、関東大会とインターハイの両予選をいずれも2回戦で敗退。猛威を振るった昨年、一昨年のような絶対的本命とはいかないが、MF須藤直輝(2年)を経由して軽やかなパスで崩す攻撃の質は高い。
 
 3年ぶりの予選優勝を狙い、S1では2位につける正智深谷も得点力があり、波多野晟愛と金田奎人の両MF(ともに3年)が絡むスピードのある攻撃はレパートリーも豊かだ。長身DF山田裕翔(3年)がまとめる堅陣が後方に控えるのも心強い。
 
 関東大会予選を制した武南もS1で4位と好調を堅持し、エースFW大谷涼太(3年)の決定力も健在。勝ち進めば、はやくも3回戦で昌平と対決する屈指の好カードが実現する。
 
 連覇を目ざす浦和南は、2回戦で昌平と当たる可能性があり、FW佐藤智隆(3年)ら昨年のレギュラー陣の奮闘が期待される。そのほか浦和学院をはじめ、川口北や狭山ケ丘、大宮東、ふじみ野の実力校も顔を揃え、このブロックを抜け出したチームが優勝にもっとも近いといっても過言ではない。
 
 今夏のインターハイ予選覇者の西武台は、伝統の3トップで外からの積極的な仕掛けが特長だ。MF池田上総介(3年)のパスとドリブルは一級品で、CF谷直哉(3年)は得点感覚に優れる。同予選2位の聖望学園はFW塚田悠太郎(3年)を中心とする攻撃力が持ち味で、意表を突く効果的なセットプレーも持ち合わせている。攻守のバランスが見事で、初優勝の力は十分にある。
 

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