【広島】名古屋戦の失点に危機感。ただの“1失点”ではないと、重く受け止めるべきだ

2019年09月29日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

先制点を挙げるも、前半終了間際に中央を割られて失点。

城福監督は名古屋戦の失点を悔やんだ。写真●徳原隆元

[J1リーグ27節]広島 1-1 名古屋/9月28日/Eスタ
 
「どうですかね。運もあるし。それよりかは、失点したところだと思う。絶対ああいう失点ね、ダメだと思うので、あの時間帯は。なかなか、うちにはないような失点の仕方だったので、苦しいですね、ああなると」
 
 名古屋戦後、青山敏弘に攻撃面に関する質問を投げると、「それよりかは」と守備面に関する話が出てきた。一度だけにとどまらず、「それよりかは、あの失点でしょうね。ああいうとこ、点を取られると、勝てる試合も勝てないです」、「それよりかは、守備で隙を与えたので、勝負の分かれ目はそういったところだと思います」と強調するかのように、繰り返し述べていた。
 
 青山が指摘する失点は、33分に野上結貴の得点で先制した後の44分だった。GK大迫敬介のフィードがパスミスとなると、左サイドのタッチラインの外に出て名古屋にボールが渡る。スローインからジョアン・シミッチ→米本拓司→ジョーと一連のパス交換で中央を割られ、最後はペナルティエリア内でパスを受けた前田直輝にネットを揺らされた。

 原因と対策はいくつかある。
 
 城福浩監督が「本人にも言いましたけど、大迫はよく学ばなければいけないところで、どういうプレーを選択したか、彼が時間帯を意識していたのか、あのスローインからなので。ゲームの流れをよく考えないといけない」と言う通り、そもそも相手にボールを渡してしまった大迫のパスがイージーミスだった。
 
 他にもジョーに対応した荒木隼人は「ボランチがちょっと前に出てしまって、間にクサビを入れられてしまった。そこを通させないところと、(ジョーの)左足を少し警戒し過ぎていたところで、もう少しボールにアタックできれば良かったと思います」と述べ、前田をマークしていた野上は「失点シーンは取られ方だったり、その後の修正ができていなかった」と反省を口にした。
 
 どれもその通りだと思うが、もっと根本的なことを思い返してほしい。

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