「クボの技術は申し分ないが…」鳥栖の前指揮官カレーラス氏に直撃!久保建英はマジョルカで成功できるのか?

2019年09月10日 山本美智子

久保とは2度に渡り対戦

5月まで鳥栖を指揮したカレーラス氏(左)が、自身の古巣でもあるマジョルカに移籍した久保について語ってくれた。写真:Rafa HUERTA

 9月1日に行なわれたラ・リーガ第3節のバレンシア戦で、マジョルカの久保建英がついにリーガデビューを飾った。

 78分には3枚目のカードとして4-2-3-1の右サイドハーフに投入されると、スペイン代表左SBのガヤから激しいチャージでボールを奪うなど、短い時間ながら存在感を発揮した。

 バルサのカンテラで育った日本期待の俊英は、18歳の誕生日を迎えた今年6月に、FC東京を退団し、世界最高峰のメガクラブであるレアル・マドリーと契約。当初はカスティージャ(Bチーム)でプレーする予定だったが、トップチームに帯同したプレシーズンに予想を上回るパフォーマンスを披露。クラブ内から、カスティージャが戦う2部B(実質3部)ではなく、1部のクラブのレンタルにして経験を詰ませるべきだという意見が上がり、最終的に武者修行に出ることを選択したのだった。

 はたして、この若武者はマジョルカで成功できるのか――。

 意見を求めたのは、今年5月までサガン鳥栖を指揮していたスペイン人監督のルイス・カレーラス氏だ。DFだった現役時代、5シーズンに渡りマジョルカでプレーし、引退後は短い期間(14年2月~5月)ながら、監督も務めた。何より、対戦相手として久保のことをよく知っており、成功の有無を訊くのに、これ以上の適任者はいないといっても過言ではないかもしれない。

 鳥栖の監督を解任されて以降、現在もフリーで、ラ・リーガ中継のコメンテーターなどを務めているカレーラス氏は、『サッカーダイジェスト』の取材に対し、快く答えてくれた。
 
 まず伺ったのは、久保の印象だ。日本では2度対戦する機会があったという。

「サガン鳥栖を率いていた時、クボとは2度対戦したことがある。最初は、(19年3月10日に行なわれた)Jリーグの試合で、私たちは0-2で負けた。2度目は、(4月10日の)カップ戦(ルヴァンカップ)だった。雨が降っていてね。

 スタメンじゃなくて、60分過ぎぐらいから出てきて、サイドアタッカーとしてプレーしていた。そして、その日の決勝点をフリーキックから決められたんだ。彼の噂は、マシア(バルサの下部組織の総称)にいた頃から耳にしていた。実際にこの目で見たのは、日本に行ってからだ。ボールを持つことを怖がらない、そして、その責任がとることを恐れない選手だ。その印象は今でも変わらないよ」
 

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