スコットランド到着から29時間後の英国デビュー! 食野亮太郎が試合前日に語っていたアザール、堂安律、東京五輪のこと

2019年09月07日 田嶋コウスケ

味方選手の怪我によって緊急出場。場内から拍手が起きるシーンも

スコットランド到着翌日にさっそくベンチ入り。そして、緊急出場となった食野。スタンドを沸かせるプレーも見せた。(C) Getty Images

 移籍発表と同じように、そのときは突然やってきた。
 
 J1ガンバ大阪からマンチェスター・シティへ完全移籍した食野(めしの)亮太郎。先月30日にスコットランドのハーツに1年間の期限付きで移籍することが発表され、翌31日のハミルトン戦で早速ベンチ入りした。そして試合開始から31分、味方選手の怪我に伴い、食野は本拠地タインカッスル・パークのピッチに立った。大阪を飛び立ち、スコットランドのエジンバラ空港に到着してから、わずか29時間後のことだった。
 
「希望ポジションはトップ下」と語る食野がフィールドに入ると、クレイグ・レビーン監督は4−3−3から4−2−3−1にシステムを変更。食野の特性を生かすため、トップ下のポジションを置く4−2−3−1に迷わず変えた。
 
 41分には、その食野が持ち味を示した。「キュッ、キュッ」と地面から音がしてきそうな鋭い切り返しと細かいステップで敵を抜くと、ペナルティエリア手前の位置からミドルシュート。枠を外したが、場内から拍手が起きた。
 

 しかし、長距離移動の疲労と連係不足がたたり、その後はなかなかチャンスに絡めない。結局、試合は2−2の同点で終了。シュート場面以外は食野に大きな見せ場がなく、本人も「自分では納得できるものではなかった」と嘆いたが、試合後の地元メディア『エジンバラ・ライブ』による「良い足技を見せたが、明らかに疲れていた」との評価がすべてだった。
 
 チームメート全員の名前すら覚えていない状況で臨んだデビュー戦。食野は「雰囲気を掴むのには重要だった。次はもっと良くなるように」と前を向いた。

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