今こそ"横浜らしい"攻撃サッカーを! 見つめ直すべきはプレーの精度だ

2019年08月10日 藤井雅彦

昨季から築き上げてきた流動的なポゼッションサッカーに陰りが見られる

横浜の舵を取るポステコグルー監督。積極的な采配を振るえるか。(C)SOCCER DIGEST

 20節終了時点で得点ランクトップの11得点を挙げていたFWエジガル・ジュニオを負傷で、抜群のスプリント能力で守備を支えるDFチアゴ・マルチンスを出場停止で欠き、清水エスパルスに0−1で敗れた。

 直接的な敗因を外国籍選手ふたりの不在に求めるのは簡単で、間違いでもないだろう。
重要度の高い選手になればなるほど、欠けた際の痛手が大きくなるのは自然の摂理である。

 気になるのは負け方だ。相手の守備ブロックをまったくといっていいほど突破できなかった。攻撃をけん引するFWマルコス・ジュニオールをトップ下に固定し、今季初めて大津祐樹をCFとして先発起用する策は奏功せず。トップ下に三好康児、最前線にM・ジュニオールを置く手もあったが、ポステコグルー監督は必要以上に配置を動かすことを避けた。

 ちなみに指揮官が背番号9(M・ジュニオール)のトップ下適性に気づいてからの戦績は、清水戦の黒星を含めても7勝3敗と大きく勝ち越している。

 一方で、昨季から築き上げてきた流動的なポゼッションには陰りが見られる。例えば、特徴的だった両SBの位置取りはダブルボランチの採用も重なって普通になりつつあり、変化が出し辛い。ともすれば横浜は多彩なオフェンス能力を持つM・ジュニオール頼みになってしまっている。

 それでも前記したように結果が出ている配置をわざわざ動かすのはリスクを伴うが、清水戦のパフォーマンスにはいささか不安が先行する。

 E・ジュニオは全治3か月の負傷離脱となり、ただでさえ大きな得点源を失っている。
高い勝率を継続できる保証など、どこにもないのだ。

次ページ指揮官が保守的な采配を振るうようになれば横浜の魅力は半減する

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