[インターハイ２回戦]青森山田１—０大津／７月27日／吉の浦公園ごさまる陸上競技場
 
「自分がチームを引っ張っていく覚悟でやっています」。
　青森山田の２年生センターバック、藤原優大は、この言葉をピッチ上で存分に発揮をしていた。インターハイ２回戦。１回戦で前橋育英との決戦を２−０で勝利したチームは、２回戦でも優勝候補の大津とのビッグマッチを迎えた。
 

「チームの中心として後ろからどんどん声を出せば、周りも聞いてくれると思いますし、今年は本当に勝利を目指すというか、自分が一番勝利にこだわってやろうと思っています」
 
　４バックのディフェンスリーダーとして、藤原は立ち上がりから大きな声でコーチングをしたり、空中戦では圧倒的な強さを見せつけ、さらにビルドアップにも積極的に関わって、アンカーの古宿理久をサポートした。
 
　さらに仲間が身体を張ったブロックをすれば、その選手と一緒になって「よっしゃあ！！」と叫び、マークがずれていたり、相手が見えていない時は「顔を上げろ、すぐ右にいるぞ！」と的確な指示をビシッとして、守備組織を引き締めた。そして、自分のエリアにボールが来れば、素早く寄せてボールを奪い取って味方に繋げたり、はっきりとしたクリアを見せ、「ラインを上げろ！」と全身を使って全体を押し上げて見せた。
 
「ああいう雄叫びをあげることで自分を強く見せたいし、『最後には俺がいるぞ』というのをみんなに伝えて、安心してもらえる存在になりたいんです。そういう選手こそ上に行けると思う」
 
　これを象徴したシーンが試合終了間際のシーンだ。後半23分に交代出場のFW田中翔太のヘッドで先制した青森山田は、大津の猛攻を受けていた。右サイドから交代出場の大津FW宮原愛輝がドリブルでカットインし、ペナルティエリア内に侵入すると、シュートを打った瞬間に猛スピードで寄せてきた藤原がスライディングで渾身のブロック。ボールが弾かれると、「うおっしゃあ！！」と大きな雄叫びを挙げた。
 
　最後の最後まで集中を切らさず、２試合連続となる完封勝利で、青森山田が３回戦に駒を進めた。