泥沼の4連敗&8戦未勝利。自信を失った風間グランパスは復活できるのか

2019年07月14日 本田健介(サッカーダイジェスト)

吉田も困惑の表情を浮かべる

C大阪に0-3で完敗した名古屋。浮上のキッカケは掴めるのか。(C)SOCCER DIGEST

[J119節]C大阪3-0名古屋/7月13日/ヤンマー

 どこで歯車が狂ってしまったのか。
 
 開幕時の好調ぶりが嘘のような失速を見せているのが、風間八宏監督率いる名古屋だ。
 
 J1・19節のアウェーでのC大阪戦にも0-3で敗れ、リーグ戦は8戦未勝利(2分6敗)で、直近は4連敗と苦しい戦いが続いている。
 
 エースストライカーのジョーが右足首を痛めて一時離脱し、前節の湘南戦で左膝を負傷した丸山祐市が戦列を離れるなど主力を欠く試合もあったが、序盤戦からそこまで大きくメンバーは変わっていない。それでも12節の川崎戦に引き分けて以降、勝利が遠のいている。
 
「逆にどう思います? それを誰かが教えてくれると助かるんですが……」
 
 不調の理由を問いかけると、常にチームの状況を的確に捉える吉田豊も、複雑な表情を浮かべる。
 
「ひとつではないと思うので何とも言えないですが、やっぱり相手は研究してきているので、僕らは技術やアイデアを含めてその上をいかなくてはいけません。前へ行く意識というか、一人ひとりがチャレンジするというか……みんな、必死にやっています。でも、それだけで良いというわけではなく、勝たなくてはいけないので、今は良いサッカーよりも勝点3。ガンガン前にゴールを目指してやっていかなくてはいけないです」
 
 また風間監督はC大阪戦後にチームに"闘う姿勢"が足りなかったことを指摘したが、和泉竜司も反省の想いを込めて同様の意見を口にする。
 
「個人的にもハードワークや闘う姿勢というところで相手に負けていたのかなと感じます。ヨネくん(米本拓司)はチームのために走ってくれて、自分もそれくらいやれていたのかと考えると、そうではなかったと思います。勝つためにはキツイ時間をチーム一丸となって越えなくてはいけません。細かい部分をチームとしてやっていくところもありますが、まずはひとりのプロとして、また代表して試合に出ている身として勝ちたいという想いを示さなくてはいけません」
 
 相手と闘う、そして勝利への渇望をぶつける――これはプロとして戦っていくうえで基本中の基本のことのように感じる。それは指揮官も「ピッチに立ってどのくらい強い気持ちで闘うか。それは持っていて当たり前のもの」と説明する。しかし、その根本的な部分が揺らぐほど、今の名古屋は混乱に陥っているということなのだろう。
 

次ページまずは根本的な部分に立ち返りたい

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