「理解に苦しむ」「奇妙な判定」メッシの一発退場にアルゼンチン代表監督の不満が爆発!チリ陣営も…【コパ・アメリカ】

2019年07月07日 石川聡

メッシはキャリア2度目の退場

3位になったものの、スカローニ監督の判定に対する怒りは収まらなかった。(C)Getty Images

 ブラジルで開催されているコパ・アメリカは現地時間7月6日、サンパウロのアレーナ・コリンチャンスで3位決定戦が行なわれ、アルゼンチンがチリに2-1で競り勝った。

 リオネル・メッシ(アルゼンチン)、ガリー・メデル(チリ)の両キャプテンが退場処分となったのをはじめ、アルゼンチンに4度、チリに3度の警告が与えられるなど、非常に荒れた試合となった。
 
 試合の結果よりも、メッシが2005年の代表デビュー戦以来となるレッドカードを出された一戦として記憶に残るだろう。アルゼンチンの縦パスを、メデルが身体を盾にしてゴールラインを割らせ、ゴールキックにしようとした。これに猛然とチャレンジしたのがメッシだ。後方からこのチリの小兵CBに接触したように見えた。

 ボールがラインを越えると、メデルが抗議するようにメッシに詰め寄る。背番号10も受けて立ち、互いに何度か胸をぶつけ合うと、走り寄ってきた両チームの選手で大混乱。パラグアイ人のマリオ・ディアス・デ・ビバール主審はレッドカードを突きつけた。
 
 これが37分。その前にも伏線となるようなシーンがあった。25分頃、中盤のタッチライン近くでメッシがメデルの後方からのタックルに倒され、やはり両軍が入り乱れる事態となった。この時は異議を唱えたチリのアルトゥーロ・ビダルにイエローカードが出されている。
 

 メッシとメデルの退場処分については当然、試合終了後の会見場で両監督に意見が求められた。アルゼンチンのリオネル・スカローニ監督は、「メッシの場合ははっきりしている。映像を見たが、なぜ退場に値するのか全く理解に苦しむ」と語気を強めた。

「主審の決定は非常に速く、とても奇妙なものだった。さらに悪いのはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)で修正しなかったことだ」と不満を語り、VARについても「(使用の)基準が分からない」と不信感を募らせている。
 
 一方、チリのレイナルド・ルエダ監督も、「メッシとメデルの退場は正しくない。試合の中では普通に起きるたぐいのものだ」と、主審の判定に疑問を呈した。

「しっかりコントロールしていた試合だが、主審の判定によってチームの集中力が奪われてしまった」とも付け加えた。ただし、12分に許した先制点については、「われわれの未熟なところ」とコメント。メッシが素早くFKを蹴り、抜け出したセルヒオ・アグエロがGKとの1対1を制して決めた場面を、敗軍の将はそう振り返った。

取材・文●石川聡

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