森重真人が語る「多摩川クラシコのキーマン」は?

2019年07月12日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「川崎にどうプレッシャーをかけられるか」

多摩川クラシコへの想いを語ってくれた森重。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 天下分け目の大一番と言っても過言ではないだろう。1位のFC東京と2位の川崎との直接対決、第34回多摩川クラシコが7月14日に味の素スタジアムで開催される。痺れるシチュエーションでの多摩川クラシコを前に、FC東京の主力でセンターバックの森重真人に直撃。この一戦に懸ける想い、さらにここまでのパフォーマンスの自己強化についてなど、様々な質問をぶつけてみた。
 
 
──今季はリーグ前半戦を終えて、堂々の1位(編集部・注/インタビュー実施日は7月1日)。この成績をどう捉えていますか?
 
「正直、なんとも言えないです。シーズン途中の成績ですから。むしろ大事なのはこれからで、リーグ優勝に向けた本当の戦いが始まるという感覚です。ただ、嬉しくないわけではなくて、年末年始に自分たちが思い描いていたとおりの展開にはなっています」
 
──17節の横浜戦は久保(建英)選手の壮行試合でもありました。特別な意識は?
 
「いや、そこまでは。もちろん(久保を)良い形で送り出したかったですし、『タケがいなくなって(勝てなくなった)』と言われるのも嫌だった。さらに言えば、リーグ戦で2連敗したあとの試合だったので勝ちたいという強い気持ちはありました」

──結果は4-2で勝利。悪い流れを断ち切れたという意味でも大きな白星だったのでは?
 
「連敗して昨季の悪いイメージ(夏場に勝点を稼げなかったこと)が浮かんできましたが、力のある横浜に勝てて少しホッとしたというか、心に余裕が生まれました」
 
──ここから本格的な夏を迎えますが、7月14日の多摩川クラシコは上位対決とあって今後の行方を占う大一番となりそうです。
 
「今は川崎より上の順位にいますが、僕たちはあくまでチャレンジャー。リーグ優勝という"山頂"めがけて登っている最中なので、そのシチュエーションを楽しみながら戦いたいです。とにかく失うものはありませんからね。思い切り戦いたい」
 
──多摩川クラシコとなると、スタジアムは否が応でも盛り上がります。
 
「クラブの関係者やファン・サポーターも特別な想いを抱いていますよね、多摩川クラシコには。向こうの選手をよく知っている分、負けたくないという気持ちは膨らみます。ですので、今回も良いモチベーションで臨めるはずです」
 
──今季ここまでの川崎の戦いぶりをどう見ていますか?
 
「チームとして完成していて、だからこそここまで(リーグ戦で)12戦無敗なわけで。相変わらず強いな、と。王者の川崎を相手に僕たちがどう戦うか。プレッシャーをかけられるか。今季の開幕戦で対戦した時のように、川崎がボールを握る展開になる可能性があるので、粘り強く対応したいです」
 
──多摩川クラシコでキーマンとなるのは?
 
「誰が出場するか分からないですが、あえて挙げるなら両サイド。横浜戦のスタメンで言えば、東(慶悟)選手と(ナ・)サンホ選手になります。(2トップの)永井(謙佑)選手とディエゴ(・オリヴェイラ)選手がどう攻撃を展開できるかという意味でも、サイドハーフの働きは重要だと思います」
 
──久保選手が抜けたサイドハーフにここから誰が定着するのか。それはファン・サポーターも気になるポイントです。
 
「候補者のひとりがサンホですかね。もし彼が固定されるようなら、サンホの良さを周りのみんなで引き出したい」
 
──ナ・サンホ選手がチームメイトの信頼を得るうえで、横浜戦の同点ゴールは大きかったのでは?
 
「そうですね。あの形(左からカットインしてシュート)が得意なはずなので、今後も上手くサポートしたいです。運動量に加え、推進力もあるので、周りの活かし方次第でもっと活躍できるでしょう」
 
──運動量と言えば、ナ・サンホ選手の横浜戦での走行距離は12キロ以上でチームトップでした。
 
「そうそう。やっぱり能力は高いですから、それを生かしていきたいです」
 

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