ミーティング後のスコットランド戦の選手たちのプレーは見違えるようだった
なでしこジャパンの最終ラインを統率する熊谷。キャプテンとしてチームをまとめ上げる。写真:早草紀子
アルゼンチン戦を痛恨のドローとし、グループリーグ突破へ黄信号が灯った状態で臨んだスコットランド戦で、なでしこジャパンは本来の姿を取り戻した。キックオフ直後、左サイドからの仕掛けを皮切りに、あっという間に日本の流れにしてしまった。23分という欲しい時間帯での岩渕真奈(INAC神戸)の先制弾でさらに確固たる結果としてスコアを刻むと37分には菅澤優衣香(浦和レッズレディース)が自ら得たPKを決めて2点差に。キャプテンの熊谷紗季(オリンピック・リヨン)は、この展開を最後尾で見守っていた。
ドイツ・ワールドカップ優勝時にはまだまだ若手だった熊谷も、このチームではキャプテンマークを巻き、メンタル、プレーの両面の大黒柱を担っている。チーム発足時から雰囲気づくりには人一倍、気を遣ってきた。時には世界を見てきた者としての厳しい言葉も使う。それでも「下の世代でも意見を怖がらずに言えるチームにしたい」と、オンオフ問わず、すべての選手を気に掛けてきたのが熊谷だ。
ドイツ・ワールドカップ優勝時にはまだまだ若手だった熊谷も、このチームではキャプテンマークを巻き、メンタル、プレーの両面の大黒柱を担っている。チーム発足時から雰囲気づくりには人一倍、気を遣ってきた。時には世界を見てきた者としての厳しい言葉も使う。それでも「下の世代でも意見を怖がらずに言えるチームにしたい」と、オンオフ問わず、すべての選手を気に掛けてきたのが熊谷だ。
そんな熊谷がスコットランド戦を控えた前日に選手を集めてミーティングを行なった。ここぞというときに必ず行なわれる選手ミーティングだが、"その時"を早くも第2戦の前に感じ取ったのは、他ならぬ危機感からだった。思わぬアルゼンチンの堅守に、図らずも逃げ腰になってしまった初戦が選手たちに与えたショックは大きい。元来、ポジティブ思考の熊谷であっても、いつものムードづくりだけで乗り越えられない何かを感じていたのかもしれない。
その甲斐あって、確かにスコットランド戦の選手たちのプレーは見違えるようだった。受けては立たない、先手必勝。その先に生まれた先制弾の際も、PKによる追加点の際も熊谷は最後尾で喜びのあとの選手を出迎えるのではなく、最前線にまで駆け上がり、歓喜の輪に加わった。ゴールした選手はその後ベンチにも駆け寄る。このチームではあまり見られない場面だ。それだけ結束が強まったのだと一目で理解できる。
その甲斐あって、確かにスコットランド戦の選手たちのプレーは見違えるようだった。受けては立たない、先手必勝。その先に生まれた先制弾の際も、PKによる追加点の際も熊谷は最後尾で喜びのあとの選手を出迎えるのではなく、最前線にまで駆け上がり、歓喜の輪に加わった。ゴールした選手はその後ベンチにも駆け寄る。このチームではあまり見られない場面だ。それだけ結束が強まったのだと一目で理解できる。