【トリニダード・トバゴ戦|戦評】初導入3-4-2-1に見えた課題。無得点という結果は偶然ではない

2019年06月06日 本田健介(サッカーダイジェスト)

満を持して指揮官得意のシステムを採用

大迫(背番号15)や堂安らがチャンスを作ったが無得点。トリニダード・トバゴ戦はスコアレスドローに終わった。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2019]日本 0-0 トリニダード・トバゴ/6月5日/豊田スタジアム
 
 0-0のスコアレスドローに終わった6月シリーズの第1戦、トリニダード・トバゴ戦のトピックといえば、やはり森保体制下のA代表で3-4-2-1を初導入した点だろう。
 
 Jリーグの広島で3度のリーグ制覇を果たした森保監督にとって、3-4-2-1は代名詞であり、兼任で指揮する東京五輪代表では、このフォーメーションをメインシステムとして使ってきた。
 
 一方、A代表では一貫して4-4-2(2トップは縦関係になることが多い)を採用。3バックをどのタイミングで試すのか注目されてきたが、2022年のカタール・ワールドカップに向けたアジア予選が迫ってきたなか、満を持してのテストとなった。
 
 指揮官はトリニダード・トバゴ戦で採用した意図を、「これまで試そうと思って活動してきました。まず4バックをベースに戦術理解してもらい、次のオプションとして試そうと。それが今のタイイングでした。9月からワールドカップ予選があるので、選手たちが覚えてくれれば、オプションになるなと考えました」と説明。
 
 そして「選手たちはチャレンジしてくれました。GKからのビルドアップ、ウイングバックで幅を作るという感覚は少しずつ見えたと思います。ゴールがなかったのは残念ですが、シュート25本と公式記録にもあったとおり、チャンスは作れました。守備においてもバランスがこれまでと異なり、プレッシャーを上手くかけられないなかで、セットプレーとカウンターでやられそうな場面はありましたが、大崩れすることなく粘り強くやってくれました」と試合を振り返る。
 
【3バック PHOTO】森保ジャパン初の3バック!連携が不安視された中、息の合ったプレーを披露し無失点!
 
 
 指揮官の言葉通り、新たなシステムを実戦で学べた点は選手たちもポジティブに捉える。
 
 3バックの中央で最終ラインを統率した昌子源は「経験がないよりもあったほうが良い。4(バック)でも3(バック)でもやれたら強いですし、試合の途中で変えられたら素晴らしいと思います」と語り、左ウイングバックを務めた長友佑都は「オプションを持っていることは間違いなく強みになります」と語る。
 
 ワールドカップのアジア予選では、どんな対戦国が待ち受けているか分からないが、戦い方の幅を広げられたという意味では、今回の一戦は多少なりとも価値はあったと言えるだろう。
 
【日本代表PHOTO】日本0-0トリニダード・トバゴ |令和初戦は無念のスコアレスドロー。再三の決定機を決め切れず…
 
 

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