“対人上等”。当落線上だったFWがU-20W杯で大化けの予感を漂わせる

2019年05月29日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「自分自身は仕掛けるのが得意。それが武器」

上り調子にある中村のパフォーマンスに注目だ。(C)SOCCER DIGEST

「入るか分からなかった上で入れたのは光栄です。ギリギリで入れたのは承知の上」
 
 U-20ワールドカップに向けた国内合宿の2日目、流通経済大(〇5-0)とのトレーニングマッチ後、FW中村敬斗はこう述べていた。いわゆる、メンバー発表前は当落線上にいる選手だった。
 
 それでも、選ばれた以上は必死だ。
 
 流通経済大とのトレーニングマッチでは1ゴールを決め、「パフォーマンスもまずまずだった」。17日に行なわれた親善試合・コロンビア戦(●1-2)では「非公開だったので詳しく言えないですけど、悪くはないかなと。フィーリング的にはよく走れていたし、ボールタッチも良いかな」と振り返る。
 
 ある程度の手応えを掴み、5月23日にU-20ワールドカップが開幕。初戦のエクアドル戦(△1-1)は終盤の途中出場でほぼ見せ場がなかったが、第2戦のメキシコ戦(〇3-0)は76分から右サイドで途中出場。アグレッシブにドリブルで仕掛け、シュートも放つなど、結果を残そうという意欲が垣間見えた。影山監督も中村について「爪跡を残してやるという想いを持っている」と口にするなど、アピールになっていた。
 ただ、当の本人は「そんなに決めてやるぞ感はない」とメキシコ戦を回想し、普通にやっていたらあんな感じ」と意に介していない様子だった。
 
「自分自身は仕掛けるのが得意。それが武器」
 
 そう言い切る中村にとって、たとえワールドカップという舞台で世界の強力DFが相手だったとしても、1対1で仕掛けることは当たり前だろう。ドリブルで勝負する対人は「上等だ」と言わんばかりのアタッカーがイタリア戦に出場した場合、どんなプレーを見せてくれるのか、期待は高まる。

次ページ恩師の下で変わったオフ・ザ・ボールと守備。

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