マドリー移籍か、パリSGへの暗黙の要求か――エムバペの「爆弾発言」が波紋を広げる!【現地発】

2019年05月20日 結城麻里

ダブル受賞のスピーチで飛び出した「爆弾発言」

式の直後に行なわれた囲み取材でもエムバペは去就に関することだけは受け流した。 (C) Getty Images

 5月19日(現地時間)に開催されたリーグ・アンの年間アワードで、パリ・サンジェルマンに所属するフランス代表FWキリアン・エムバペが、今シーズンのリーグ年間MVPと最優秀ヤングプレーヤーをダブル受賞した。その受賞スピーチで放たれた爆弾発言が大きな波紋を広げている。

 この日、まず最優秀ヤングプレーヤー賞を手にしたエムバペは、なぜかいつもより緊張気味に挨拶。その後、華やかなイベントが延々と続き、23時前にようやくシーズンMVPが発表され、弱冠20歳の怪物FWは笑顔で、演壇に上がり、スピーチを始めた。

 開口一番、「これだけが僕に欠けていたよ」とトロフィーを眺めながら会場を笑わせたエムバペは、次いでパリSGのナセル・アル・ケライフィ会長に向け、妙に強調された感謝を捧げ始め、「僕は第2のターニングポイントに差し掛かっていると思う」とさりげなく言い放つと、「ここでたくさんのことを発見した。おそらくもっと責任のあることを引き受ける時期がきているんだと思う」と続けたのだ。

 この発言で会場にいたジャーナリストたちがざわつくなか、エムバペは、「それがパリ・サンジェルマンであればいいなと思うし、そうなれば大きな喜びだ。でも、もしかしたら違う場所で、別のプロジェクトのためになるのかもしれない。いずれにせよ、メルシ(ありがとう)」と締めくくったのである。
 
 若武者の移籍を仄めかすようなコメントとともに式典が閉幕し、舞台裏は大騒ぎとなった。インタビューゾーンでは、何とか発言の真意を探ろうと数十人のジャーナリストたちがエムバペを待ち構えた。

 ところが、エリアの3か所で立ち止まったエムバペは、受賞の喜びやバロンドールへの夢については語ったものの、問題の発言については、「式で言った通り」と頑として真意を話そうとはしなかった。あのスピーチが綿密に計画されたものだったことは、もはや誰の目にも明らかだった。

 当然、式典の終了直後から、「レアル・マドリー移籍!?」、「パリへの何らかの要求か?」といった報道が駆け巡り、話題はフランス中に波及した。

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