【現地発】オーストラリア"最後の夜"に本田圭佑は何を語ったか。来季の去就は?東京五輪は?

2019年05月16日 植松久隆

選手や監督たちがパートナーと連れ立ち、華やいだ姿でブルーカーペットに晴れ姿を見せた

本田は黒いタキシードに身を包んで「Aリーグ・ドーラン・ウォレン・アワーズ2019」に現われた。写真:植松久隆

 南半球最大の都市シドニー、その中心に程近いウォーターフロント・エリアは高級ホテルやコンベンション・ホール、アミューズメント施設が立ち並び賑わうエリア。13日、そのエリアの一角にあるカジノ複合施設で「Aリーグ・ドーラン・ウォレン・アワーズ2019」が開催され、いつもより少しだけ良い格好をして取材に赴いた。

 何度聞いてもドレスコード指定がないので「メディアだし、余程じゃなきゃ問題ない」と思ったら、ノー・タイは筆者以外に一人しかいなかった。それでも、広報担当者は「まったく問題ない」と笑うので、少し場違いな気分を感じながらも、気を取り直して、ブルーカーペットに陣取り、その夜の"ターゲット"を待った。
 
 19日、今季のAリーグのフィナーレとなるファイナル・シリーズ決勝「グランド・ファイナル(以下GF)」がパースで行なわれる。そのGFに先立って、男女それぞれのフットボール史に残るレジェンドの名前を冠した授賞式を盛大に行なうのが、毎年のAリーグのならいだ。その授賞式に、メルボルン・ビクトリーでAリーグ公式戦を終えたばかりの本田圭佑が、数名のチームメイトとともに出席する。そこで、現地報道陣の一人として話を聞こうという算段だ。

 予定の5時を大分過ぎて、Aリーグ、Wリーグの選手や監督たちがパートナーと連れ立って、華やいだ姿で三々五々、ブルーカーペットにその晴れ姿を見せ始める。マチルダス(豪州女子代表の愛称)の選手は、華やかなカクテルドレスやメイクアップのせいもあって、一瞬、ファインダー越しに見違えてしまうくらいだ。
 
 昨夜の素晴らしいゴールで自らのホーム・ラストゲームを締めくくった元清水のアレックス・ブロスク。今季、パース・グローリーをGFへと導いたトニー・ポポヴィッチは、現役当時の広島でチームメイトだった幼馴染でもあるシドニーFCのスティーブ・コリカ監督と和やかなツーショットを披露。当地のサッカーを長年追ってきた身にしては、垂涎モノの顔ぶれが目の前を通り過ぎ、写真やコメントも取らないととバタバタしていた。
 
 すると、「来たぞ!」と、誰かが筆者の名前を呼びながら肩を叩いた。FFA(豪州フットボール連盟)の広報責任者が他の選手の取材中の筆者に、その夜の「本命」の到来をわざわざ知らせてくれたのだ。彼が指差した先には、黒いタキシードに身を包んだ本田圭佑、その人の姿があった。

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