来季プロ入りする大学サッカー界の"二枚看板"。三笘薫と旗手怜央の対照的な現状

2019年05月09日 小室功

絶対的エースを擁する筑波大と順天堂大が直接対決!果たして結果は…

川崎加入が内定している三笘(左)と旗手(右)。直接対決では、前者に軍配が上がった。写真:小室功

 筑波大のMF三笘薫と順天堂大のFW旗手怜央は、今季の関東大学サッカーリーグを牽引する"二枚看板"だ。
 
 関東大学リーグの1部、2部のプログラムの表紙を飾るのは両選手であり、巻頭対談にも登場。和やかな雰囲気のなか、お互いの出会いから最上級生として挑む大学ラストシーズンへの意気込み、高校生やファンへのメッセージなどを語り合っている。卒業後はともにJリーグの強豪・川崎フロンターレに進むことが内定。何かと話題多きふたりなのだ。
 
 そんな絶対的エースが率いる筑波大と順天堂大の直接対決がゴールデンウィーク(GW)期間中の5月6日、千葉県・柏の葉公園総合競技場で行なわれた。天候に恵まれた注目の一戦だ。14時のキックオフ前からスタンドは心なしかざわついていた。
 
 最初に仕掛けたのは旗手だった。左サイドで起点となり、スルーパスを繰り出し、チャンスを作り出す。自らも1対1の突破からシュートに持ち込むなど、立ち上がりから気を吐いた。

 一方、前半の三笘はほとんどいいところがなく、「ボールに触りたくて、中に入りすぎていた。もっと幅を作ったり、味方と連係して、サイドを攻略しないといけなかった」と猛省。筑波大の小井土正亮監督も「ボールを受けてから何かしようという感じで、(三笘の左サイドは)うまくいっていなかった。相手を揺さぶりながら、自陣ではシンプルにプレーし、アタッキングサードで(前を向いて)ボールに触るように」と指摘し、後半に向けて修正を試みた。
 
 それが早くも結実する。

  47分、左サイドの三笘から背後のスペースに飛び出したボランチの渡邊陽に展開され、最後はトップ下の池谷祐輔が得点につなげた。
 
 前半とは打って変わって後半の三笘は持ち前のテクニックと緩急自在のプレーで、順天堂大DF陣を混乱させた。追加点を奪うまではいかなかったものの、攻撃面での"違い"を見せつけ、スタンドからも感嘆の声が漏れていた。
 
 順天堂大の堀池巧監督は、相手のキーマンである三笘対策として「スピードに乗らせないこと」を挙げていたが、ファーストDFが後手を踏むケースが少なくなく、どうしてもズルズルと下がらざるを得ず、苦しんだ。

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