識者が選ぶ、平成の日本代表ベスト11!「誰よりも『なんとかしてくれる』という期待を抱かせてくれたのは…」

2019年04月29日 熊崎敬

最も日本代表に貢献した選手11人の顔ぶれは?

日本代表に一時代を築いたカズ。勝負強さは一級品だ。(C) Getty Images

 平成の時代も残りわずかとなったが、この30年余りで日本サッカー界は大きな進化を遂げてきた。とりわけ日本代表は苦難の道のりを経てワールドカップ初出場を果たし、3度のベスト16進出を実現するなど劇的な変貌を見せている。そんな平成の時代を振り返ると、日本代表に欠かせない11人はいかなる構成になるのか。長く日本サッカーの浮き沈みを見守ってきた識者に、「平成の日本代表ベスト11」を選んでもらった。

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 クラブでの実績は度外視。純粋にそのポジションで、もっとも日本代表に貢献した選手という観点で11人を選んだ。わかりやすく言えば、「こいつが、なんとかしてくれる」という期待感を抱かせてくれた選手たちだ。
 
 例えばセンターバックは、文句なしで中澤と闘莉王を選んだ。
 このふたりがいなかったら、2010年の南アフリカ・ワールドカップでのベスト16進出はなかったと思う。器用ではないが、このポジションにもっとも要求される「止める」「潰す」「はね返す」という部分で、彼らに勝るコンビはいない。
 
 中澤については、2004年アジアカップ中国大会での活躍が印象深い。守備ではほとんど負け知らずで、攻撃においても玉田と並んで日本最多の3ゴールを記録。大会公式MVPに選ばれた中村以上の貢献度があった。
 
 激戦区の攻撃的MFでは、中田、本田を選んだ。つまり、中村、小野、香川は外した。
 この選考では、テクニックを超えた部分を重視。チームの最前線に立って世間のプレッシャーを引き受けたところ、また誤解や衝突を恐れずチームを勝利に導こうとしたところを評価した。
 サッカーが学ぶものとなったいま、彼らのような「強靭なパーソナリティ」は、ますます現われにくくなっていくかもしれない。
 
 ベストイレブンの中に、ワールドカップに出ていない選手がひとりだけいる。カズだ。
 彼を選んだのは、冒頭にも書いた「こいつが、なんとかしてくれる」を、だれよりも体現していたからだ。「ドーハの悲劇」に見舞われたが、直前の天敵、韓国との一戦で決めたゴールは、まさに千両役者の大仕事だった。
 

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