識者が選ぶ、平成の日本代表ベスト11!「W杯出場が叶わなかった選手たちでドリームチームを組んでみた」

2019年04月23日 飯尾篤史

カズのパートナーに選んだのは、やはりサプライズ落選の…

不運にもW杯の舞台に立つ夢は叶わずとも、日本代表に一時代を築いた選手たち。写真は上段左から前園真聖、三浦知良、藤田俊哉。下段左から本山雅志、久保竜彦、田中誠。(C) Getty Images

 平成の時代もあと1週間足らずで幕を閉じるが、この30年余りで日本サッカー界は大きな進化を遂げてきた。とりわけ日本代表は苦難の道のりを経てワールドカップ初出場を果たし、3度のベスト16進出を実現するなど劇的な変貌を見せている。そんな平成の時代を振り返ると、日本代表に欠かせない11人はいかなる構成になるのか。平成の日本サッカーを見守ってきた識者に、「平成の日本代表ベスト11」を選んでもらった。


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 平成30年間を振り返り、日本代表のベストイレブンを選ぶ――。それが編集部からのお題だが、せっかくドリームチームを作るなら、いっそのことワールドカップ出場という夢が叶わなかった選手たちによるドリームチームを編成してみることにした。
 
 真っ先に思い浮かぶのは、52歳になった今なおピッチに立ち続けている「カズ」こと三浦知良だ。アメリカ大会、フランス大会のアジア最終予選を日本のエースとして戦いながら、前者はドーハの悲劇によって、後者は本大会直前のサプライズ落選によって、夢の舞台に立つチャンスが奪われた。
 
「純粋にチームが勝つことだけを考えた。いろいろとシミュレーションをしたが、カズを使う場面が思い浮かばなかった」
 のちに岡田武史監督は決断の背景についてこう語ったが、それでも、と今でも思わざるを得ない。たとえベンチに座り続けることになっても、チームに貢献できる――それが、カズだったはずだと。
 
 そのカズのパートナーとして選んだのは、これまたサプライズ落選となった久保竜彦。日本サッカー史に稀に見る世界規格のストライカーで、ジーコ監督も多大な期待を寄せていたが、ワールドカップイヤーに入って持病の腰痛が悪化。最後の最後でジーコの構想から外れてしまった。
 
 トップ下は、アトランタ五輪代表のキャプテン、前園真聖だ。96年3月のアトランタ五輪アジア最終予選で眩いばかりの輝きを放った男は、しかし、それを境に調子を崩し、ついにベストな状態に戻れなかった。代表に最後に選ばれたのは、97年3月のフランス・ワールドカップアジア1次予選。入れ替わるようにして盟友である中田英寿に日本代表の座を譲ることになったのは、なんとも皮肉だった。
 

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