【C大阪】知らないと恥ずかしい!? 17歳の俊英アタッカー西川潤の本当の凄み

2019年04月14日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

期待度の大きさはロティーナ監督のコメントからも分かる

札幌戦のハイライトは90+1分。ドリブルで持ち上がり、左足を振り抜いた。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 刀は、熱した鉄を何度も槌で打ち叩いて作られる。折り返しながら繰り返し叩くことで粘りを持たせて強く鍛えるのだ。この作業が「鍛錬」である。そして、とりわけ鍛錬された刀が、「名刀」となり得る。

 

 セレッソ大阪に特別指定で登録されている"超高校級"FW西川潤は、やはり名刀となり得る逸材だ。鉄は熱いうちに打てと言うが、西川の「鍛錬」のスピードは尋常ではない。4月13日の北海道コンサドーレ札幌戦で改めて、その凄みを垣間見せた。

 

 出番は急に訪れた。セットプレーから失点を喫した約4分後の84分、ロティーナ監督が声をかけたのが、2002年生まれで17歳の西川だった。

 

 西川はこの日、リーグ戦で2度目のベンチ入りを果たしていた。しかし、特に監督から事前に起用されることを聞いてはいなかったという。

 

「特に事前に伝えられていませんでした。ただ、思い切って、このチームを引き分け、そして逆転に持って行けるような、流れを変えるようなプレーをしていこうと思って入りました」

 まだ高校3年生になったばかり。17歳1か月24日での出場は、柿谷曜一朗の16歳10か月23日に次ぐ、C大阪史上2番目の若さだった。
 
 札幌戦のハイライトは90+1分。敵陣中央で柿谷からパスを受けると、バイタルエリアにドリブルでグングンと侵入していき、最後は左足を振り抜きゴールを狙った。惜しくもシュートはミートし損ねてGKにキャッチされたものの、この一連のワンプレーだけでも、今後の活躍を予感させるには十分だっただろう。
 
 その期待度の大きさはロティーナ監督の「異なるものを持っている。まだ若いですが、大きなタレントを持っている選手です」というコメントからも分かる。
 
 3月5日に2020年シーズンの加入内定とともに特別指定が発表されてからは、ルヴァンカップの2試合にも出場している。特に圧巻はグループステージ3節の名古屋グランパス戦。針の穴を射抜くような絶妙なスルーパスで福満隆貴のゴールをお膳立てし、鮮烈なインパクトを残した。

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