市立船橋が紡ぐ”超攻撃的SB”の系譜――杉山弾斗、松尾勇佑の後継者、植松建斗が面白い!!

2019年03月30日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

今年2月に代表初招集!植松が持つ最大の魅力は?

左足と攻撃的なプレースタイルが最大の武器。徹底的に磨き上げれば、プロ入りも見えてくるはずだ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 ひと言で現わすなら"怖いもの知らず"。果敢に攻め上がり、左足から放つ良質なクロスでチャンスを演出する。そんな思い切りの良さとキックの質は名門校の中でひと際目を惹く存在だ。
 
 2年連続で選手権出場を逃した市立船橋高において、今冬の出場は至上命題。覇権奪回を期すチームで評価をじわじわと上げているのが、左利きのサイドバック、植松建斗(新3年)である。今年は右サイドバックのU-17代表の畑大雅(新3年)に注目が集まりがちだが、このレフティも引けを取らないほど存在感を示しているのだ。
 
 隙あらば貪欲に高い位置を取り、攻撃をバックアップ。畑ほどのスピードはないが、キックの質は同世代でもトップクラスの力を持つ。守備の面ではまだまだ粗さが目立ち、ポジショニングで拙いプレーも多い。それでも類まれな攻撃性能を買われ、2月にはU-18日本代表の立ち上げ合宿に参加。小学生の時にナショナルトレセンを経験して以来の日の丸だったが、スペイン遠征では臆せずに堂々たる働きを見せたという。
 
 U-18代表の影山雅永監督も「スペイン戦では意外にやれたんですよ。もちろん課題は多いけど、面白いと思う」と称賛。今後の可能性に期待感を示した。本人にとってもその経験はプラス。代表のチームメイトで、すでにJ1デビューを飾っている松岡大起(鳥栖U-18)から刺激を得た。
 
「あのような選手が成功すると知れた。サッカー選手になるのが夢で入ってきたので意識するようになりましたね」
 
 3月29日に開催された船橋招待大会では全国の並み居る強豪を向こうに回し、ハイパフォーマンスを見せる。影山監督やJクラブのスカウト陣も視察に訪れる中、持ち前の攻撃センスを思う存分に発揮した。午前中に行なわれた名古屋U-18戦では左クロスから井原充葵(新2年)の2点目をお膳立てし、それ以外でも積極的に高い位置を取ってチャンスメイク。2-0で勝利を挙げたチームにおいて、左サイドのアタックは相手の脅威になっていた。

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