【U-22代表】勝利に導く“決め切る力”。久保建英がミャンマーの地で成長示す2得点

2019年03月25日 林 遼平

惜しいで終わらせない――。久保が昨秋のUAE遠征で語っていたのは…

3-4-2-1のシャドーで先発した久保。技術もさることながら、決定力の高さも際立っていた。写真:佐藤博之

[U-23アジア選手権予選]U-22日本代表 6-0 U-22東ティモール代表/3月24日/ミャンマー 

 初戦のマカオ戦で8ゴールを奪って大勝したU-22日本代表。続く東ティモールとの第2戦で存在感を示したのは、飛び級で招集されている久保建英だった。
 
 昨年11月に行なわれたドバイカップU-23に続き、森保一監督体制下で2度目の招集となった久保は、東京五輪1次予選を兼ねたU-23アジア選手権予選・東ティモール戦で今大会初スタメン。前半から自身の強みであるドリブルで相手を翻弄すると、24分にはセットプレーの流れからクロスでチャンスメイクを図り、田川亨介のゴールにつながる起点を担った。

 自身の見せ場は後半に訪れる。まずは1点リードの54分。ペナルティエリア手前でFKのチャンスを得ると、左隅を狙って正確なシュートを放つ。「軌道が見えていなくて、入ったと思っていなかった」と振り返ったショットは、ゆるい弧を描きつつゴール左のポスト手前でバウンド。GKの脇をすり抜けてネットに吸い込まれ、チームに大きな追加点をもたらした。

 さらに圧巻だったのが74分の場面だ。左サイドでボールを持った杉岡大暉からファーサイドへクロスが送られると、久保は絶妙なトラップで相手を交わし、すかさずボレーシュート。強烈な一撃がゴールに突き刺さり、この日2点目の得点を奪った。

「あれはかなり狙い通りだった。杉岡選手には自分のところを見といてくれと言っていて、一瞬目があった後にすごく良いボールが来た。最初に振るよりはトラップして打ったほうがちょっと強いボールが打てるなと思った。蹴るフリをしてうまくトラップできました」

 思い返せば、初めての招集となったドバイカップでは、チームを勝利に導くチャンスがありながらも決め切れずに課題を残した。「自分が入って間もない中でこっちに流れが傾き始めた時に、最後のところで何回か惜しいチャンスがあった。それを惜しいで終わらせないように、そういう時にやっぱりゴールなりアシストなりを取れる選手になっていければいい」とは当時の久保の言葉。

 苦しい時間帯にいかに結果を残すか――。それがこの代表で自身の地位を確立していくために必要なポイントだった。

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