千葉を揺るがした開幕4戦目での衝撃的な監督解任劇…小島秀仁の脳裏に甦る8年前の記憶とは?

2019年03月23日 佐藤亮太

「オレのクビがかかっている試合にお前、出られるか?」

今回の千葉・エスナイデル監督の解任により、8年前の浦和での出来事を思い返したという小島。写真:J.LEAGUE PHOTOS/田中研治

 3月20日、晴天のジェフ千葉の練習場・ユナイテッドパーク。この日、3シーズン目に入ったばかりのファン・エスナイデル監督が電撃解任され、そのあとを引き継いだ江尻篤彦監督の初練習となった。軽めの調整を終えたMF小島秀仁は快くファンサービスに応じ、クラブハウスに引き上げた。
 
 こうした監督解任・就任について、選手にも取材しなければならない。伝える側は毎度、ためらってしまうのだが、この質問を予想していたのか、小島はためらいもせず口火を切った。
 
「監督がシーズン途中で辞めたりすることは、これまでにあった。それにプロ1年目がそうだったから」
 
 たしかにそうだった。小島が前橋育英高から浦和レッズに加入した2011年、クラブはOBであるゼリコ・ペトロヴィッチ監督を招へい。ナビスコカップでは決勝進出したものの、リーグでの成績不振を理由にファイナル直前の同年10月20日に解任。後任には当時、浦和レッズユースで指揮を執った堀孝史監督が就任した。結果はナビスコカップ準優勝の一方、なんとかJ1残留を決めた。浦和の関係者にとっては、実に不可思議かつ思い出したくない2011年となった。
 
 そんな2011年シーズン途中のリーグ17節、ホームでのアビスパ福岡戦(6月22日)前日の練習前、小島は監督室に呼び出された。そしてゼリコ・ペトロヴィッチ監督から、こう告げられるのだ。
 
「オレのクビがかかっている試合にお前、出られるか?」

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