【FC東京】かつての久保建英と何が違うのか。成長の跡を示すキーワードは”フル出場”

2019年03月11日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

久保が鳥栖戦で示した大いなる可能性

左足で強烈な一撃を見舞っただけではない。久保は守備でも進化を見せ、激しいチャージで何度もボールを奪った。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ3節]FC東京2-0鳥栖/3月10日/味スタ

 2017年11月26日の33節・広島戦でJ1デビューを果たしてから469日。久保建英はついにリーグ戦でフル出場を果たした。
 
 3月10日の3節・鳥栖戦。開幕から3試合連続でスタメン出場した久保は右サイドハーフで攻撃を牽引し、守備でも与えられたタスクをまっとうした。1-0で迎えた90分+3分には左サイドで大森晃太郎からボールを受け、ジャエルのゴールをお膳立て。これが久保にとってJ1初アシストとなった。
 
 内容と結果の伴うプレーを見せた久保。少なくとも、昨年までの姿とは一線を画す出来だった。
 
 ここまでのリーグ戦3試合で、久保に与えられた出場時間は242分。全試合で先発し、コンスタントに出場機会を得られるようになった。もちろん、長谷川監督も期待値だけで起用しているわけではない。攻守で求めるレベルに達しているからこそ、自信を持ってピッチに送り出しているのだ。
 
 思い返せば、昨季も同じ3節まで途中出場ながら出番を獲得していた。短い時間であれば、持ち前の攻撃センスは通用しており、一回り世代の違う選手たちに交じっても遜色はなかった。だが、忘れてはならないのは、相手が疲弊した終盤のプレーであった点だ。
 
 昨季の開幕戦(浦和/0-0)では試合後に長谷川監督が「中盤が空いてくるので建英の足下が生きてくる」と話しており、活躍できる状況を整えてから久保は出場機会を得ていた。つまりは90分間で考えれば、戦力として計算しづらかったのである。
 
 もちろん、そのほかの面で実力不足は否めなかった。守備面でも役割を遂行できず、フィジカルでも当たり負け。次第に出場機会を減らし、8月に横浜へ期限付き移籍をする結果となっている。
 
 去年以前の久保を振り返っても同様だ。ユース年代で眩いばかりの光を放っていても、"大人の世界"に混じると厳しい現実があった。

 2世代飛び級で出場した2017年のU-20ワールドカップでも、ウルグアイなどの強敵に対して赤子同然に捻られている。同年のU-17ワールドカップでもフィジカルで勝る相手に潰され、圧倒的な個を示す場面は限られた。

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