公式戦3戦未勝利…浦和のネガティブな雰囲気を払拭するために、森脇良太が伝えたかったこと

2019年03月07日 多田哲平(サッカーダイジェスト)

ブリーラム戦の前にはチームメイトに声をかけた

ブリーラム戦で今季初出場。攻守に渡って奮闘した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[ACLグループステージ1節]浦和3-0ブリーラム/3月6日/埼玉スタジアム2002
 
 浦和レッズの森脇良太が、ACLグループステージ第1戦のブリーラム・ユナイテッド戦で今季初めて公式戦のピッチに立った。右ウイングバックで先発出場すると、大胆なサイドチェンジを駆使して、攻撃にダイナミズムをもたらした。

 チームは3-0で勝利を収めたが、森脇の貢献度の大きさは、試合後にオズワルド・オリヴェイラ監督が、「『素晴らしいプレーだった』と言って、熱い抱擁をかわしてくれた」ことからも分かる。

 森脇は、富士ゼロックス・スーパーカップからの3試合をピッチの外から見ていた。勝ち星に恵まれず、リーグ戦では2戦未勝利の17位に低迷しているチームにもどかしさも感じていたはずだし、何かを変えたいと、そう思っていたようだ。
 
 森脇が変えたかったもののひとつが、ビルドアップの質である。
 
「後ろからの持ち運び、組み立てがどれだけ重要かっていうのは、僕自身も理解しているつもりです。ここ3試合では、もちろんうまくいっていた部分もあったけど、そうでないことも多かった。もっと後ろからビルドアップのクオリティを上げていきたいなと。それは後ろだけの選手じゃなくて、前の選手の動きを促す意味でも。チーム全体が生き物のように動かなければ後ろからのビルドアップは成立しない。そういった意味でこれまでは足りなかった」

 だからこそ、メンバー入りしたブリーラム戦の前には、チームメイトに『サポートしていこうよ』『後ろからの組み立てをきちんとしよう』『ハードワークをしていこうよ』と伝えたという。
 
 オリヴェイラ監督も森脇を入れることでビルドアップの活性化を図った。試合後には「相手が守備的に戦うことは予想できた。なので左サイドは宇賀神(友弥)と槙野にし、右サイドに起点となれる森脇を入れた。ボールの扱いがうまい森脇にサイドチェンジをさせながら、(アタッカー陣に)スペースを見つけて飛び出させようとした」と明かしている。
 
 実際に森脇を最終ラインに加えたブリーラム戦のビルドアップの質は、これまでの試合に比べれば少なからず向上しているように見えた。森脇自身も「今日に関しては良い相乗効果が生まれたかな」と手応えを語っている。

次ページ「今日が僕にとって絶好のチャンスだった」

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