「代理人の仕事」は移籍・契約交渉だけじゃない! 浦和・武藤らの代理人が明かす、知られざるサポート業務

2019年01月30日 サッカーダイジェスト編集部

アスリートのプロ意識向上やセカンドキャリアのイメージ構築を促すことを目的にワークショップを開催

都内で開催された「Athlete Career Design ~アスリートキャリアデザイン~」。サッカー選手のみならず、多様な競技のアスリートが参加した。

 オフシーズン、スポーツ紙やネットニュースをなど賑わせたのはやはり、移籍など選手の去就に関する報道だ。クラブや選手を応援するファン、サポーターにとっては良い意味でも、良くない意味でもドキドキしてしまう記事が増える時期と言えるだろう。そして時折、なんらかの形でそれらの報道に登場する人物がいる。そう、代理人だ。「代理人を通じて正式オファー」だったり「代理人を通じてすでに断りを入れた」など、キーパーソンとして記事中に登場してくる。

 シーズン中はあまり表に出てこない代理人という存在。それがオフシーズンになると突如として紙面などに躍り出てくるため、世間一般的には代理人というのは移籍や契約交渉のために存在するものと理解されがちだろう。もちろん、それらが主たる業務のひとつなのではあるのだろうが、そうした報道が多い今のタイミングだからこそ、表には出てこない知られざる代理人の業務内容の一部を紹介してみたい。

 ※ちなみに、2015年4月からFIFAによる代理人制度が廃止され、現在の呼称は「仲介人」となっているが、認知度などわかりやすさの観点から便宜上、文中では「代理人」という表記と併用していく。意味としてはイコールと理解していただいて構わない。

 昨年12月11日。東京駅からほど近いビルの一室で、「Athlete Career Design ~アスリートキャリアデザイン~」というワークショップが開催された。企画、主催をしたのは武藤雄樹(浦和レッズ)や小塚和季(大分トリニータ)などのJリーガーおよそ30選手と代理人契約を結ぶエ―スポーツクリエイション(A-Sports Creation)株式会社代表であり、日本サッカー協会仲介人の野村豊幸氏だ。東京オリンピック2020のオフィシャルサポーターである、人材派遣業を主業務とする株式会社パソナとタッグを組んで催行しており、これが第3回目だ。

 同ワークショップは元プロアスリートやスポーツビジネス関係者、時には異業種の要人を招いて講義を開き、アスリートのプロ意識向上やセカンドキャリアのイメージ構築を促すことを目的としている。

 野村氏によると、このワークショップを開催するに至った思いはこうだ。
「選手の仲介人として、契約選手に充実した人生を歩んでほしいからです。選手にプロアスリートとしての自分自身の価値を高めてほしい。プロ選手の立場である時に多くの方々と出会い、応援してくれる人を増やし、そうした出来事に感謝の気持ちを持ちながら未来に向けて準備をしてほしい。そうした考えから開催をしています。OB選手をはじめ様々な方々から直接、話を聞くことで現役中の刺激やエネルギーにもなると思っています」
 

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