【ウズベキスタン戦|戦評】“控え組”が示した意地。勢いに乗る一勝も、真の総合力が問われるのは次戦以降だ

2019年01月18日 本田健介(サッカーダイジェスト)

武藤と塩谷が殊勲に

ゴールを奪った塩谷らが勝利を喜ぶ。日本は3連勝で決勝トーナメント進出を決めた。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[アジアカップ・グループリーグ第3戦]日本 2-1 ウズベキスタン/1月17日/ハリファ・ビン・ザイード・スタジアム

 UAEで行なわれているアジアカップで、すでにグループリーグ突破を決めていた日本は、首位通過を懸けてウズベキスタンと対戦。森保一監督は第2戦のオマーン戦から10人を入れ替えて臨み、逆転勝利を収めた。

 チームを牽引したのはオマーン戦で不発に終わったFW武藤嘉紀であり、守田英正の負傷により追加招集され、ここまで出場機会のなかった塩谷司だった。

 武藤は先制を許した直後の43分に室屋成のクロスをヘッドで合わせてネットを揺らし、ボランチを務めた塩谷は58分に強烈なミドルで逆転ゴールを奪って見せた。

 殊勲の塩谷は「(今日出たメンバーは)想いが相当に強かったと思います。自分たちが不甲斐ないプレーをすると今後、出られるチャンスは減ります。過密日程になるなかで選手を替えるのは難しくなってきますし、自分たちがやれるんだということを示さなくてはいけない試合でした」と語ったように、ウズベキスタン戦の勝利の要因はこれまでチャンスに恵まれなかった、いわゆる"控え組"の意地だった。
 
 左SBで先発した佐々木翔も、この一勝の意味を力強く語る。

「僕らはチャンスをもらえないなかでウズウズしていたり、もどかしさがあったりしましたが、それをぶつけられ、勝利を掴めました。これでよりチームがひとつになって前より強い塊になると思います。決勝トーナメントに向けても大事な一戦だったと感じるので、ここから優勝を目指してさらにチームとして頑張れるはずです」

 またこの日はベンチから見守った長友佑都も「流れとしては良い形で締まってきていると思います。(優勝した)2011年の時もそうですが、試合に出てない選手が出た時に活躍してチームの士気を上げるのは、当時と被るものがあります。チームがまたひとつになった気がします」と笑顔を見せた。

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