【日本代表】キーワードは高さと将来性。皆川佑介、坂井達弥に続く「サプライズ」は誰が掴む?

2014年08月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

実績がない選手にもチャンスがあると受け取れる人選。

今シーズンわずか4試合の出場にもかかわらず、初代表の座を射止めた坂井。持ち前の高さでアピールできるか。(C) SOCCER DIGEST

 ついにハビエル・アギーレ新監督率いる新生・日本代表の初陣メンバーが発表された。その顔ぶれは、ブラジル・ワールドカップのメンバーから12名、代表復帰が6名、初招集が5名となり、アルベルト・ザッケローニ時代のお馴染みのメンバーから大きな変化が見られた。
 
 フレッシュな印象を与えているのは、もちろん初招集組だが、とりわけ大卒ルーキーのFW皆川佑介(広島)と、同じく大卒で2年目のDF坂井達弥(鳥栖)の招集は、最大の「サプライズ」と言っていいだろう。同じ初招集でも、ここ最近のJリーグでセンセーショナルな活躍を見せていた武藤嘉紀(FC東京)や、所属クラブですでに絶対的な主力となっている森岡亮太(神戸)、松原健(新潟)に比べれば、皆川と坂井のふたりは実績やインパクトの面で欠けていた。おそらく、ほとんどの人が選ばれるとは思っていなかったはずだ。
 
 皆川は今シーズン、リーグ戦7試合に出場し2得点。7試合中6試合が途中出場で、リーグ戦デビューからわずか1か月でのA代表初選出となった。一方の坂井も、今シーズンはリーグ戦出場がわずか4試合。しかも、8月23日のアウェー大宮戦が11試合ぶりの出場だったのだ。ともに数少ない出場機会で自らの特長を示し、見事にチャンスを掴んだ。
 
 そのふたりの分かりやすい特長と言えば、やはり「高さ」ということになるだろう。186センチの皆川と183センチの坂井をはじめ、今回のメンバーには180センチ以上の選手が多く並び、格段に大型化した印象を受ける。この点だけをクローズアップすれば、アギーレ監督の狙いも「高さ」「空中戦」の強化にあるのは明白だ。
 
 その一方でアギーレ監督は、8月11日の就任会見では将来を見据えた人選を行なうとも語っており、90年代生まれが約半数を占めた今回のメンバーにもそうした考えが、色濃く反映されている。90年生まれの坂井と91年生まれの皆川の選出も、4年後を見据えた人材発掘の意味合いを持っているのは間違いない。
 
 キャリア不足は否めないとはいえ、「高さ」と「将来性」というふたつの共通点を持つ皆川と坂井が選ばれた。そう考えれば、さほど実績はなくとも彼らと類似したスペック(身長180センチ以上、90年代生まれ)を持つ選手にもまた、チャンスがあるとは考えられないだろうか。実際にこの条件を満たし、皆川や坂井と同じ大卒1、2年目の中にも、招集されてもおかしくない有力選手がいる。

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