【選手権】7年ぶり4強の尚志、快進撃の礎となったのは震災から復活した国内初のトレーニング施設だった!

2019年01月05日 平野貴也

プレミアリーグの参入戦では冬のクラブユース王者も撃破!監督がレベルアップの要因に挙げたのは…

プリンス東北優勝、プレミア昇格、そして選手権4強入りと好調を維持する今季の尚志。果たして頂点へと駆け上がれるか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[高校選手権・準々決勝]尚志1-0帝京長岡/1月5日/等々力

 勝ち上がる可能性を秘めていることと、実際に勝ち上がることは、異なる。厳しいブロックの中ではダークホース扱いとなったが、4つの勝利で力を証明した。


 第97回全国高校サッカー選手権大会は5日に準々決勝を行ない、尚志(福島)は1-0で帝京長岡(新潟)を破って第90回大会以来、7年ぶりとなる4強進出を決めた。相手のキーマンであるMF谷内田哲平(2年)を抑える守備で活躍したMF高橋海大(3年)は「死のグループと言われて、ここまで来た。もう優勝しかない」と過去最高の4強を超える挑戦に意欲を示した。

 確かに厳しいブロックだった。初戦で神村学園(鹿児島)、2回戦は東福岡(福岡)と九州の強豪を破り、3回戦では前回王者の前橋育英(群馬)を撃破した。元々、その可能性は秘めていた。今季は高円宮杯U-18プリンスリーグ東北を優勝。参入戦で冬のJクラブユース王者である横浜F・マリノスユースも破ってプレミアリーグ昇格も決めている。特に攻撃陣にはU-17日本代表FWの染野唯月(2年)を筆頭に、全国レベルの選手が揃っている。主将の大川健(3年)は「周りからは番狂わせ、ダークホースという扱いをされたりしているかもしれないけど、自分たちは東福岡や前橋育英と互角以上にできる自信があった」と言い切った。

 しかし、夏のインターハイでは2回戦敗退。4強に残った東山(京都)にPK戦で敗れて早々に姿を消していた。可能性は秘めていたが、勝ち切る力が足りなかった。主戦場であるプリンス東北では、頭一つ抜けた存在(15勝2分1敗、得失点差プラス50)。準決勝で対戦する青森山田(青森)がプレミアリーグに所属しているため、全国トップクラスの強豪とやる機会が少ないのが難点で、全国レベルに慣れるのに時間がかかるのだ。

 その点、今年は秋に良い機会があった。10月末、福島県予選の準決勝で取材した際、仲村浩二監督が「今年は、Jヴィレッジ復活の恩恵を受けたね。代表とやらせてもらったのは、大きかった」とつぶやいた。
 

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