【U-18プレミアリーグ】強豪チームの現在地|三菱養和SCユース編

2014年08月26日 平野貴也

3バックと5バックの併用などで守備が安定し、結果につながる。

三菱養和SCユース
所在地:巣鴨スポーツセンター(東京都豊島区巣鴨2-8-1)
クラブ創立:1940年
主なOB:田中順也(スポルティング)、土屋征夫(甲府)、永井雄一郎(横浜FC)、田鍋陵太(名古屋)、青木良太(千葉) (C) SOCCER DIGEST

 三菱養和SCユースが、猛反撃の態勢を整えている。
 
 前期はプレミアリーグEASTで9位と低迷したものの、夏の日本クラブユースサッカー選手権(U-18)大会では、31年ぶり3度目の全国優勝。リーグの後期初戦となる10節の東京Vユース戦では、7得点を奪っての快勝でその勢いが本物であることを証明した。
 
 山本信夫監督は「強い相手と戦う時は、先に取るのか取られるのかで大きく変わる。クラブユースでは1試合を除いて先制できた。だから、今日も1点取るまでは我慢だと言って送り出した」と堅守速攻をベースに戦ったことを明かした。
 
 クラブユース選手権で勝ち方を身につけた印象だ。春は中盤がルーズになり、3バックが揃っていても失点するシーンがあった。それが3バックにふたりのウイングバックが加わって5バックになったり、ダブルボランチとの連係で中央に強固なブロックを作ったりと手堅さを増した。
 指揮官も「前期は得点こそ多くなかったけど、攻撃は良い形ができていた。ただ、守備が淡泊だった。クラブユースで結果が出たことで、選手は自分たちのやり方に自信を持ったと思う」と、勝負強くなった要因に守備の改善を挙げる。

 クラブユース選手権で大会MVPに輝いた下田悠哉は、東京V戦で2得点。直接FKとバイシクルシュートで鮮やかなゴールを決めた。パワフルなドリブルや左足のシュートが魅力だが、今夏にもうひとつの武器を手に入れた。「監督から指摘されるのが悔しくて、黙らせようと思った。今は、毎試合、足がつるまで走ろうと思っている」と課題だった運動量アップに取り組み、結果につなげている。攻撃だけでなく、守備でも大きな貢献をするようになった下田は、夏に化けた選手のひとりだ。

次ページ勢いを持続させ、ふたつ目のサプライズを狙う。

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