本田は定位置確保、乾、香川、柴崎は苦境に…ロシアW杯組は明暗クッキリ――海外日本人選手のシーズン前半戦総括[MF編]

2018年12月30日 サッカーダイジェストWeb編集部

W杯後に苦汁を飲んだ柴崎、香川、そして井手口

左から、柴崎、香川、井手口。 (C) Getty Images

 ロシア・ワールドカップに沸いた2018年夏、欧州では新シーズンの幕が開け、各国で熱戦が繰り広げられてきた。そして南半球オーストラリアでは間もなく夏を迎えようという10月より、新たな戦いが始まっている。

 そこには、多くの日本人選手の姿がある。主力としての責任を胸に新たなシーズンを迎えた者、ネガティブな過去へのリベンジを誓った者、希望と不退転の決意を持って新天地に赴いた者……。

 そして激動の1年が終わろうとしている今、彼らの置かれた状況もまた、様々である。期待に応えてその信頼度をさらに高めた者、新チーム内で早くも地位を確立した者、厳しい現実に苦悩する者、そして現状に見切りをつけて新たな環境を求めるとされている者……。

 ここでは、年末年始も関係なく開催されているイングランド・プレミアリーグ、豪Aリーグを除けば、ほとんどのリーグが中断期間に入った今、国外で奮闘する「サムライ」たちの前半戦を振り返ってみよう。

――◇――◇――

MF
◇柴崎 岳

ヘタフェ(スペイン)所属
国内リーグ:3試合(先発2)
国王杯:2試合(先発1)

 いまのヘタフェに居場所はない。その事実がはっきりした前半戦だった。リーガではわずか187分(3試合)のみの出場。セントラルMFに対して、高いインテンシティーと守備力を第一に求めるボルダラス監督の、完全なる構想外となった。チームが結果を残している以上(リーグ2位の失点数で7位)、次なる展開――他クラブへの移籍――を考えるべきタイミングにある。華麗なる復活に期待したい。

◇香川 真司
ドルトムント(ドイツ)所属
国内リーグ:2試合(先発1)
リーグ杯:1試合(先発1)
CL:1試合

 ファーブル監督の構想から外れ、わずか4試合に出場したのみ。練習試合ではチャンスメイクで違いを見せるも、公式戦21試合でベンチ外となるなど、「屈辱的」(本人談)な前半戦を過ごした。もはやドルトムントでのストーリーは終わったというのが大方の見方であり、新天地がどこになるのかが、今冬の彼に関する最大の興味となっている。

◇井手口 陽介
グロイター・フュルト(ドイツ2部)所属
国内リーグ:4試合(先発3)・1得点

 キールとのデビュー戦(5節)では、後半にタイミングの良い前線への上がりから、決勝点となるゴールを決めるなど、新天地で好発進を飾った。しかし、その後は3試合に出場したのみで、8節ドレスデン戦では右膝後十字靭帯断裂の重傷を負い、長期戦線離脱。年明けの全体練習合流を目指し、後半戦で再び勝負をかける。

※CL=チャンピオンズ・リーグ

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