世界切符を懸けた大一番を前に覚醒! 田川亨介が指揮官との話し合いを経て鮮烈ゴール!!

2018年10月27日 安藤隆人

初戦の北朝鮮戦は連係不足の出来

イラク戦で今大会初ゴールを挙げた田川。これで乗っていけるか。写真:佐藤博之

 U-19アジア選手権グループリーグ最終戦・イラク戦で、スタメン出場を果たしたFW田川亨介が、待望の今大会初ゴールを強烈な一撃で決めてみせた。

 
 1-0で迎えた27分、左サイドを破ったDF荻原拓也の折り返しに対し、ニアでFW久保建英がスルーすると、背後から走り込んだ田川がGKのニアポスト側を破る強烈なショットを叩き込んだ。
 
「正直まだ決めるチャンスはあったし、嬉しいという気持ちよりかは後悔の気持ちがあります。まだまだ決めれたし、チャンスを作れた」
 
 5−0の勝利で、グループリーグ3連勝を飾った試合後のミックスゾーンで、彼は喜びよりも外したチャンスを悔やんだ。だが、彼にとってこの1点が持つ意味はとてつもなく大きかった。
 
 初戦の北朝鮮戦でもスタメンで出場したが、「身体のキレはあるので、コンディションは悪くはないけど、まだそれをパフォーマンスに生かせていないように感じます。北朝鮮戦ではコンビネーションのところですり合わないところもあった」と、思うようなプレーができないまま、ノーゴールで63分に最初の交代が告げられた。
 
「アジアは引いて守ってくることは分かっているし、そういうなかでもFWとシャドーの意見の違いもある。シャドーは相手が引いているので、自ら持って行きたいという気持ちはあるけど、僕自身は前に張ってから裏ということを求めているし、そこのズレをちょっと感じる部分はあります。でも、これはしっかりと話し合って、試合を重ねていくごとに摺り合わせていくしかない。できていないからとネガティブに考えるんじゃなくて、修正できることだとポジティブに捉えたい」
 
 続く第2戦のタイ戦で出番はなし。だが、北朝鮮戦で思うようなプレーができずに苦しむストライカーを影山雅永監督は放っていなかった。タイ戦翌日の練習後、田川は影山監督と2人でしばらく話し込んでいた。
 
「この前の試合の反省だったり、どこがダメでどこが良かったかを話し合いしました」
 多くは語らなかったが、その表情は少しすっきりしたようにも感じた。そして彼はこう続けた。
「次、チャンスをもらえたらパフォーマンスを挙げて、次につながるプレーをしたい」
 

次ページ「点を獲れないと勢いに乗れない面もある。大きなポジティブ要素」

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