【セルジオ越後の天国と地獄】新監督を発表する前に、協会は惨敗の責任をとるべきでは?

2014年07月31日 週刊サッカーダイジェスト編集部

敗因がコンディション不足なら、それこそ技術委員長の責任が問われる。

万全のコンディションで臨むのはワールドカップの大前提。それができなかったのなら、技術委員長としての責任が問われる。(C) SOCCER DIGEST

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※週刊サッカーダイジェスト8.12号(7月29日発売号)より
 
【写真】6・24 ブラジルW杯|日本 1-4 コロンビア
 
 日本協会で7月24日に理事会が行なわれ、日本代表の新監督にメキシコ人のハビエル・アギーレが就任すると発表された。
 
 でも、僕が聞きたかったのは、そんなことじゃない。もっと大事なことを決断し、発表すべきだったのに、そのニュースは聞かれなかった。
 
 なぜ、日本協会の幹部は総辞職しないのか。なぜ、いつまでも居座っているのか。ザッケローニに責任を押し付けて、それで終わりとでも思っているのか。
 
 日本代表監督というのは、いわば現場監督だ。あるプロジェクトに失敗した企業の幹部が誰も責任を取らず、現場の監督のクビを切って終わりにする――。そんなことは、一般企業ではありえないこと。そのありえないことが今、日本協会で現実に起きているんだ。
 
 思い出してほしい。出発する時はあれだけ盛大な壮行会を開き、日本のサッカーファン、スポーツファンに「行ってきます」と言って旅立ったのに、いざ負けたら、もうバラバラ。キャプテンはひとりで帰ってくる、本田は帰っても来ない、国民に対して釈明の会見も開かない。これは誰も仕切れていないということ。ワールドカップで惨敗した以上に由々しき問題だ。負けた時こそ誠意を見せるべきで、組織として完全に崩壊しているよ。
 
 僕が会長なら間違いなく辞任する。惨敗したことはもちろん、一枚岩の組織にできなかったことにも責任を感じ、申し訳なく思うからね。大仁会長には「いい加減にしなさい」と言いたい。組織のボスとして恥ずかしくないのか、と。
 
 結局、最高顧問の川淵さんのイエスマンに会長の椅子が回ってくる構図だから、リーダーとしての資質が備わってない人物が会長を務めることになる。
 
 任命責任を負うべき原専務理事兼技術委員長がなに食わぬ顔をして次の代表監督を発表し、自分は技術委員長の座から離れ、協会に居座るのも馬鹿げた話だ。しかも、惨敗の要因として挙げたのがコンディションの問題って……。万全のコンディションで臨むのは、ワールドカップの大前提だよ。その大前提を整えられなかったのなら、それこそ技術委員長として責任を負うべきなんだ。

次ページ日本協会の体質が変わらなければ、誰を監督にしても根本的に変わらない。

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