【福岡】“タメ”なのに会話なし!? それでも互いを認め合う同級生コンビが昇格の鍵を握る!

2018年10月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「持久走大会では、大介のほうが速かった」(鈴木)

頻繁にパスを交換し、連動したプレスも。攻守で息の合ったプレーを見せる鈴木(8番)と石津(16番)の活躍が昇格の鍵を握る。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 例年になく、今季のJ1昇格レースは混戦を極めているなか、「J2優勝、J1昇格」という"完全制覇"を目標に掲げるのが、アビスパ福岡だ。
 
 36節終了時点で、勝点61位の4位と自動昇格圏内に届いていないが、首位大分との勝点5差は十分に射程圏。見据えるのは頂点のみだ。
 
 壮大なミッション遂行のために、残り6節、真価を問われるチームにおいて鍵を握りそうなのが、鈴木惇と石津大介だ。前者は巧みなパス捌きでゲームを作る司令塔で、後者は攻守両面でダイナミズムを生み出すアタッカーだ。
 
 そんなふたりは地元出身で、同じ小・中学校に通い、しかも同学年。ただ、ともにアビスパでプロデビューを飾るまで、同じチームに所属したことはなし。鈴木はアビスパの下部組織育ち、石津は地元クラブの新宮FC、福岡大大濠高、福岡大でプレーしていた。
 
 それでも同じ学校に通っていただけに、昔から仲が良かったかと言えば、実際はそうではなかったらしい。一度もクラスメイトになったこともなく、「存在は知っていたけど、今ほど会話がなかった」(鈴木)。
 
 アビスパのU-12またはU-15と、新宮FCはよく試合をしたというが、「小学校の時はたまたま勝つことがあったけど、中学になってからはまったく勝てなかった」(石津)。学校で顔を合わせても、試合について語り合うこともなく、当時から世代別の代表に選ばれていた鈴木に対し、石津は「凄い選手だなと思っていた。代表でキャプテンもやっていたし」と、どこか羨望の眼差しを向けていたようだ。
 
 もっとも、サッカーでは引け目を感じていたかもしれない石津だが、鈴木に負けなかったことがある。
 
「持久走大会では、大介のほうが速かった。1年から6年までずっと1位」(鈴木)
 
 今では鈴木も石津も豊富なスタミナを駆使して躍動感溢れるプレーを見せているが、子ども時代の"走力"では石津に分があった。

【PHOTO】HKT48が応援来場!試合前にミニライブを披露しアビスパ福岡に熱いエールを送る!

次ページ「輪湖(直樹)も含めた同期会で食事に行ったり」(石津)

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事