わずか数か月でサラリーが30倍アップ! クローゼと似た経歴を持つブンデスリーガのミラクルFW

2018年10月02日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

途中出場から81秒後にブンデスリーガ初ゴールの快挙!

ハノーファーに彗星のごとく現われたヴァイダントは、23歳のストライカー。今後どんな活躍を見せてくれるか、楽しみだ。 (C) Getty Images

 月給400ユーロ(約5万2000円)にも満たなかったアマチュアリーグの選手が、数か月後に推定1万2000ユーロ(約160万円)のサラリーを得る。

 実に30倍の収入アップだ。
 
 もちろん、職を変えたわけではない。おとぎ話に出てくるようなミラクルを実体験し、いまドイツで脚光を浴びているのが、ハノーファーに所属するヘンドリック・ヴァイダントだ。
 
■Hendrik WEYDANDT
ヘンドリック・ヴァイダント(ハノーファー/ドイツ)
生年月日/1995年7月16日(23歳)
出身地/ゲーアデン(ドイツ)
身長・体重/195㎝・88kg
主要ポジション/CF
A代表/未招集
ユース年代の代表歴/なし
キャリアの転機/DFBカップ1回戦の2ゴール(18年8月)
 
 彗星の如く出現したこのFWは、昨シーズンまでレギオナルリーガ(4部)でプレー。加入4年目のゲルマニア・エゲシュトロフで31試合・15ゴールと活躍し、今夏、同じカテゴリーに属するハノーファーⅡに引き抜かれた。
 
 そのセカンドチームが主戦場となる予定だったが、4人目のFWとしてトップチームのプレシーズンキャンプに帯同。アマチュアが相手だったテストマッチ2試合で計5ゴールと爆発すると、ズウォーレ戦で1ゴール、ウディネーゼ戦で2ゴールと骨のあるチームのネットも揺らして話題をさらった。テストマッチでヴァイダントより多くの得点を決めたのは、主砲ニクラス・フュルクルクだけである。
 
 いわば"プレシーズンの勝者"となったものの、トップチームに残るには公式戦で結果を出さなければならない。それを百も承知だったヴァイダントは、3部カールスルーエとのDFBカップ1回戦で満点回答を出す。82分に途中出場すると、2ゴールを挙げて6-0の大勝に貢献したのだ。

 この23歳が只者ではないのは、これで終わらなかったこと。続くブレーメンとのブンデスリーガ開幕戦で、途中出場からわずか81秒後に先制点をもたらし、ブンデスリーガ・デビューにみずから花を添えたのである。
 
 そして9月3日、欧州を襲った記録的な猛暑に負けず、すさまじい熱量で駆け抜けたヴァイダントの夏を締め括るに相応しい瞬間が訪れた。

 ハノーファーからの提案で、自身初となるプロ契約(2020年6月まで)を結んだのだ。ゲルマニア・エゲシュトロフ加入初年度の2014-2015シーズンはまだ5部クラブの控え要員に過ぎなかった男は、こうしてあらゆるアマチュア選手の羨望の的になった。
 

次ページクローゼやルベッシュと似通った経歴の持ち主。

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