遠藤、冨安、鎌田が躍動! 難敵相手の完勝劇で「キラリ」と光った三者三様の個性

2018年09月23日 中田徹

ボランチを極めようとしている遠藤

アントワープ戦では、ゲームの主導権を引き寄せるために、遠藤はシンプルなプレーを心がけたという。(C)STVV

 ベルギーリーグで第7節を終えた時点で、"今季の驚き"として国内で注目を集めているのが、3位につけるアントワープだ。
 
 豊富な資金力を背景に、スタジアムもすっかりリノベーションされ、補強にも積極的だ。サッカーの質も向上しており、7節でズルテ・ワレヘムを5-1で下した一戦は「パーフェクトゲーム」という言葉が頻繁に用いられた。
 
 そのため、8節のシント=トロイデン(以下、STVV)戦も「アントワープにとってはアウェーでの不慣れな人工芝での試合だが、それでもSTVVより優位だろう」という見方が多かった。
 
 ところが、終わってみれば2-0の完勝を収めたのはSTVVだった。これでSTVVは暫定ながら順位をひとつ上げて7位に。上位6チームで争うプレーオフ1進出争いに割って入ろうとしている。
 
「会心の勝利ですね」と記者が遠藤航に言葉をかけると、即座に「そうですね」と返ってきた。
 
"DMM.comが経営するサッカークラブ"として知られるSTVVには、5人もの日本人選手がいる。関根貴大はハムストリング、小池裕太は足首の負傷でベンチ外だったが、冨安健洋は3バックの右で安定した守備を披露して、チームの完封勝利に貢献。遠藤はボランチとして中盤で攻守に奮闘した。そして、鎌田大地は1-0のリードで迎えた75分から登場すると、相手を突き放すダメ押しゴールを決めた。
 
 三者三様の個性が「キラリ」と光ったアントワープ戦の日本人選手たちだった。
 
 森保一監督率いる日本代表の船出となった試合で、青山敏弘とともにボランチとしてプレーした遠藤を高く評価した人も多いだろう。中盤も含めた守備のユーティリティープレーヤーは今、クラブでも代表でもボランチというポジションを極めようとしている。
 
 アントワープ戦でSTVVが明確に試合のイニシアチブをとったのが20分頃。中盤で遠藤は何を心がけていたのだろうか。
 

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