浦和「46番」のサクセスストーリーにあやかって――20歳・伊藤涼太郎がレンタル移籍先の水戸で急成長を遂げたワケ

2018年09月15日 佐藤亮太

高卒ルーキーとして期待されて浦和に加入したが…

昨季浦和から水戸に期限付き移籍で加入した伊藤が、今季ここまで8得点を挙げる活躍ぶりだ。(C) J.LEAGUE PHOTOS

 人との出会いが20歳の選手を大きく成長させた。
 
 J2リーグ31節の町田とのアウェーゲームに挑んだ水戸。互いに特長を消しあったゲームは、スコアレスドローとなった。この試合で、シャドーストライカーとして2試合ぶりに先発出場したのがMF伊藤涼太郎だ。

 
 中盤と最終ラインの間を漂いながら、味方からパスを受けると反転してドリブル。町田の堅守を崩すパスも披露した。73分で交代したものの、伊藤らしいプレーを見せた。伊藤は今季、25試合に出場。チーム最多の8得点を挙げている。
 
 2016年、作陽高から浦和レッズに加入。6年ぶりの下部組織以外の高卒ルーキーとあって期待されたが、昨年9月、水戸に期限付き移籍をした。
 
 加入後すぐの昨年10月。水戸・西村卓朗強化部長は伊藤の印象を「前を向けば良いプレーをするけど、もっとメンタルを鍛えないと」と指摘した。
 
 たしかにそうだったかもしれない。選手層の厚い浦和にあって、ルーキーの伊藤に出番が巡ってくるはずもない。こみ上げる悔しさや不安を分け合う同世代が少なく、心がささくれだった時期があったそうだ。
 

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