武藤が得たPKを止めたフィリピン代表GKがプレミア新記録を樹立! その仰天過去も話題に「家も車も売った」

2018年08月24日 サッカーダイジェストWeb編集部

アジア杯で日本代表と対戦する可能性も

プレミアデビューの開幕戦から存在感を放ったエサリッジ。1部残留を目指するカーディフにおいて、シーズン通しての活躍が期待されている。 (C) Getty Images

 今シーズン、イングランド・プレミアリーグのカーディフでプレーするフィリピン代表GKのニール・エサリッジが、世界中のメディアで話題になっている。

 英公共放送「BBC」によれば、エサリッジはフィリピン人で初のプレミアリーグ・プレーヤー。そしてデビュー早々、「リーグデビューから2試合連続でPKを止める」という新記録を樹立した。

 開幕戦は、ボーンマスとアウェーで対戦。エサリッジはこの試合で、フィリピン人の選手として初めてプレミアリーグに出場した。試合は0-2で敗北したが、34分にPKを止め、獅子奮迅の働きぶりをみせた。プレミアのデビュー戦でPKを止めたのは、アラン・マクレガー(現ハル所属)以来、2人目だという。

 続く第2戦は、日本代表FW武藤嘉紀が所属するニューカッスルとのホームゲーム。エサリッジは、ここでも新記録を打ち立てる。

 0-0で迎えた後半90+4分、武藤がゴール前に上げたクロスがDFの手に当たり、ニューカッスルにPKが与えられる。この絶体絶命のピンチで、エサリッジはFWケネディのキックをがっちりセーブ。"値千金"の引き分けに持ち込んだ。

 開幕2試合で早くも存在感を発揮した守護神だが、プレミアでの道程は順調ではなかった。ドイツのタブロイド紙『Bild』が、エサリッジの波乱万丈な人生を紹介している。

 フィリピン代表のエサリッジだが、実はロンドン育ち。チェルシーやフルアムの下部組織に所属し、イングランドの年代別代表に選ばれたこともあるが、A代表では母方の出身地であるフィリピンを選んだ。

 その後、エサリッジはフルアムでトレーニングを続け、トップチームでの出場機会を窺っていた。しかしプレミアデビューは叶わず、2014年にフルアムとの契約が終了すると、無所属となった。

 「このときは、何か月もチームに所属していなかった」と語るエサリッジ。(当時2部の)チャールトン ・アスレティックスのトレーニングに参加してはいたものの、もちろん給料は支払われなかった。

 「できるだけ切り詰めたけど、それでも生活費に困ったので、家と車を売った。うまくいかなければ、フィリピンに帰国するしかなかった」

 それでも諦めず、4か月後に当時2部のオールダムと短期契約を結ぶ。しかし自宅はなく、「友人の家のソファで寝ていた」という。

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