3連勝後に3連敗…出入りが激しい清水のチーム状態は、上向きなのか下向きなのか

2018年08月23日 前島芳雄

ドウグラスと金子は今後も好調を維持してくれそうだ

最終ラインの要であるファン・ソッコは、「少し殻を破るというか、自信を持って臨めば、どの相手に対しても落ち着いてパスを回せる」と語った。写真:徳原隆元

 浦和戦での清水の戦いぶりを一文で表現すれば、「非常に良い形で3点取って、もったいない形で3失点して、取るべき勝点3を逃した」という言い方になるだろう。
 
 リーグ再開後の清水は、3連勝の後で3連敗し、浦和戦は3回リードしながら3回とも追いつかれてドロー。連敗はストップしたが、出入りの激しい戦いが続いている。順位は11位で、16位(プレーオフ出場圏)の鳥栖と勝点6差、6位の札幌(次節の相手)と勝点7差なので、今後残留争いに巻き込まれる可能性も、上位に迫れる可能性もある立ち位置だ。
 
 だからこそ、今の清水は良い方向に向かっているのか、悪い方向に向かっているのか、サポーターとしては気になるところだろう。今回は浦和戦の戦いを通して、そのあたりを検証してみたい。
 
 まず攻撃に関しては、間違いなく上向きと言えるだろう。とくに大きいのは、5試合で4得点と目覚ましい結果を出している新助っ人・ドウグラスの存在だ。その4点の取り方がどれも並外れた能力の高さを感じさせるもので、頭でも、裏への飛び出しでも、左足の強烈なシュートでも点が取れる万能型。今節は初めてセットプレーからのヘディングで決めたが、セットプレーからの得点が少ない清水にとっては大きな光明となった。
 
 またドウグラスは、前線でボールをキープすることや、五分五分のボールを自分のものにすることにも大きな力を発揮し、攻撃の起点にもなれる。さらに、ワンツーなどのコンビネーションやラストパスで味方を生かすこともできるので、点を取る仕事だけでなく、チーム全体の攻撃を活性化する意味でも大きく貢献している。
 
 彼の存在はクリスランにも強い刺激を与え、クリスランも前節のC大阪戦で怪我から復帰していきなりゴールを決めた。ブラジル人同士の大型2トップが実現したのは今節が初めてだが、「これからもっともっと連係を良くしていけると思う」とドウグラスは言う。
 
 また、右MFの金子翔太も、自身初の1試合・2得点を決めるなど素晴らしい働きを見せた。「涼しかったので全然違いましたね」と動きが非常に良く、カウンターになった時の出足も抜群で、浦和守備陣に脅威を与え続けた。7月24日に第一子が生まれ、今節の直前に自宅に戻ってきて一緒に生活できるようになったことがコンディションの向上につながったと考えると、これからも好調を維持してくれそうだ。
 

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