【横浜】いつまで理想を追い求めるつもりなのか? その“葛藤”に圧し潰されれば――

2018年08月03日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

現状は上手くいっているとは言えない

8月最初のゲームとなったホーム広島戦は1-4の敗戦。これで中断開け以降の3試合で計11失点。守備の立て直しが急務だ。(C)J.LEAGUE PHOTOS

[J1リーグ19節]横浜1-4広島/8月1日/ニッパツ
 
 主体的にボールを動かし、ポゼッション重視の攻撃的なサッカーで勝利を目指す。必然的にチームの重心は高くなる。前への迫力を出せる一方、最終ラインの背後にはスペースが生まれるリスキーなスタイルでもある。
 
 志は高い。「今年の横浜は面白い」という声も少なくない。喜田拓也は「二兎を追っている」と語る。
 
『堅守』が伝統の横浜は今季、アンジェ・ポステコグルー監督の下、大胆なモデルチェンジに踏み切った。ただ、現状はうまくいっているとは言えない。ルヴァンカップでは8強入りを果たしたものの、リーグ戦では18試合を終え、勝点20の13位と低迷。仙台相手に8-2と完勝する試合もあれば、FC東京に2-5と大敗を喫するゲームもある。安定感とはほど遠い戦いぶりで、もがき苦しんでいる。
 
 首位広島に1-4の完敗を喫した8月1日の時点で、総得点34はリーグトップの数字だ。攻撃サッカーは一定の成果を叩き出している。ただその代償として、総失点35もリーグ最多を記録する。
 
 5勝5分8敗と黒星が先行しているだけに、攻撃面で多少の威力半減に目をつむっても、失点が減るように守備に力を入れ、まずは五分の成績にもっていくのも手だ。だが指揮官にその考えは、まったくないようだ。
 
 広島戦後の監督記者会見で、失点する時間帯の戦い方の修正には言及しつつも、ポステコグルー監督はきっぱりと言った。
 
「全体を通しての自分の指導、やり方とか戦い方は変えるつもりはありません。ディフェンシブになるということはありません。今のサッカーを、より極めていって、責任は常に自分にあるので、その中で修正していきたい」
 
 一歩も引く気はない。中途半端に勝点を拾いに行くような真似はしないということだ。

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