【フランス1-0ベルギー|採点・寸評】 随所でクオリティーの高いプレーを披露したエムバペがMOMに!

2018年07月11日 内藤秀明・サッカーダイジェストWeb編集部

フランス――「万能性」をフルに発揮したマテュイディ。

(C)SOCCER DIGEST

[ロシアW杯準決勝]フランス1-0ベルギー/7月10日/サンクトペテルブルク(サンクトペテルブルク)

【フランス|採点・寸評】
チーム 7

好守を連発した守護神のロリスから、カンテ&ポグバのダブルボランチまでの7人で構成された守備ブロックが、アザールやデ・ブルイネといったベルギーが世界に誇る「特別な才能」をギリギリのところで抑え込み、ウンティティが奪ったセットプレーからの値千金の1点を死守した。チームとしての完成度は非常に高く、またしても無得点に終わったCFのジルーにゴールが戻れば、もっと楽な展開に持ち込めた可能性もあった。

[GK]
1 ユーゴ・ロリス 7

ハイライトは21分のシーンか。CKのこぼれ球を振り向きざまに左足で叩いたアルデルワイレルドの豪快な一撃を、圧巻の横っ飛びで見事ストップしてみせた。このプレーで波に乗った守護神は、ベルギーの猛攻を浴びた終盤もまったく集中を切らさず、3大会ぶりのファイナル進出に寄与した。

[DF]
2 バンジャマン・パバール 6

インターセプトから一気に持ち上がり、エムバペとの縦のコンビでクロスやフィニッシュにつなげるなど、1試合ごとに自信を深めているSBは、この日も右サイドで躍動。あとは、つなぎの部分でクオリティーを示せれば。

4 ラファエル・ヴァランヌ 6.5
高くて速くてクレバーなディフェンスリーダーは、驚異的な身体能力を活かし、フランスのゴールに鍵を掛けた。パートナーのウンティティとのコンビも開幕当初より確実に精度を増している印象だ。

5 サミュエル・ウンティティ 7.5
パワフルかつ頭脳的な守備でルカクを封じ込めた。最終ラインから最前線のジルーに送ったライナー性のロングパスはまさに芸術の域。51分のCKでは、ポグバが空けたスペースに飛び込み、フェライニに競り勝って決勝ゴールを叩き込んだ。

21 リュカ・エルナンデズ 6
出場停止のムニエに代わって起用されたシャドリを、持ち前の強気の守備でほぼ完封。攻撃面で物足りなさを残し、疲れの見え始めた終盤は途中出場のメルテンスには何度かチャンスを作られたが、及第点は与えられる。
 
[MF]
6 ポール・ポグバ 7

フェライニの執拗なマークに遭いながらも、中盤でカウンターの起点となり、冷静にパスをさばいた。心身のコンディションがよほどいいのか、カンテやマテュイディあたりと比べると圧倒的に運動量は落ちるものの、周りがよく見えていたし、動きの質も非常にいい。ゲーム終盤は前線にポジションを取り、グリエーズマンやエムバペ、トリソらに好パスを供給しつづけるチャンスメーカーとしても機能した。

13 エヌゴロ・カンテ 6.5
ポグバとの距離を意識しつつ、左右に流れるアザールを執拗に追い回した。危険地帯をいち早く察知する力はさすがのひと言。小さな身体に高性能のエンジンを積み、豊富な運動量と正しいポジショニングで、高品質のボールハントをやってのけた。

14 ブレーズ・マテュイディ 7(86分OUT)
準々決勝を累積警告で欠場したMFは、自身の最大の武器である「万能性」をフルに発揮し、後方のリュカと組んでフランスの左サイドを支配。とりわけ後半は、そのゾーンで敵に自由を許さなかった。最終ラインまでをケアしつつ、機を見て前線へ飛び出すなど攻守に貢献。相手GKクルトワの正面に飛んだことでゴールにはならなかったものの、18分の弾丸ミドルは強烈だった。
 

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